そもそも中古車屋を担当毎の部門分けをすると、
- 仕入
- 営業
- 経理・総務
- 登録業務
- 保険業務
の5つになります。
そのうちの、経理・総務の一日を、業務内容を見てみましょう。
目次でございます。
中古車屋の経理・総務の目次
中古車屋の経理担当者の人数
4~5店舗程度の経営の場合、経理に携わる人間は3人程度です。
無理したら2人でも可能ですがちょっと厳しい。
まぁ、2~3人で中古車屋を経営している場合は、全員が行えるようになってます。
ただ、遠い知り合いのパッパラパー2人組みの中古車屋は経理がロクでもなく出来ていなくて税理士にもウソを付いたり、損害保険会社から取引禁止の一歩手前まで行っていたり、飲酒運転で三途の川を見て生還してきたり、自損事故でぶつけたのにウソ付いて保険金をゲッツしたりとやりたい放題していますが、軌道には乗っています。七不思議です(笑)
さて、そんな中古車屋の経理の1日はどうなんでしょうか。
ちなみに、私がいた会社では、仕入&オークション販売の会社・一般ユーザーへの販売専門の会社・修理工場の会社・損害保険代理店の会社が1つのグループでした。それを踏まえて説明します。
オークション会場の仕入・販売の仕訳
これがメインと言えばメインですね。
この会社では、以前紹介した業者から業者へ中古車を売る方法で荒稼ぎしているのですが
その台数がハンパない。
大手のオークション会場といえば以下がメジャーですね。
- USS
- JU
- TAA
- ホンダ
- 日産
- アライ
で、これらのオークション会場は毎日やっているワケではありません。週一回程度です。USSが月曜日なら、JUは火曜日とか。地域の会場によって開催日が異なります。
で、平均して一日の仕入台数というのが20~40台で販売台数もそのくらい。なので、合計して多いときで80台分の仕訳処理が発生します。出品と落札をバイヤーが終了した時点でオークション会場からそれぞれをまとめたFAXやメールが届きます。それを元に処理します。パソコンの専用ソフトで仕訳処理していきます。
(※ 業者 to 業者の販売方法を取っていない普通の中古車屋であれば1日2~3台程度の量だと思います。)
※パソコン入力でキーボード入力を行っていると指先がダルくなり、それが悪化すると腱鞘炎に。
キーの構造が全く異なる腱鞘炎対策のキーボードについてはこちらに説明ページを追加しました。絶対見て、購入したほうが良いです。腱鞘炎になってからでは遅いので(私は実際に腱鞘炎になってしまったので)
さらに、
腱鞘炎対策のマウスもあります。実際に私は使ってます。
さらに、オークション会場の銀行口座への振込み処理ですね。こちらはインターネットでワンタイムパスワードなどをつかって送金処理を確実に行います。あと、代理店でしたのでメーカーから新車を仕入れる仕訳も発生します。
仕入の場合は、
仮払消費税×
仮払リサイクル×
仮払車税×
落札手数料×
送金手数料×
/当座預金×××
販売の場合はその逆ですね。
出品手数料×
送金手数料×
/売上収益×××
仮払リサイクル×
仮払車税×
仮受消費税×
その他の仕訳入力作業
さらに、仕入れた車のいくつかは販売専門会社に卸す(売却する)ためその仕訳も行いますし、販売専門会社側から見ると仕入ですのでそちらの仕訳も行います。
販売専門会社では一般のユーザーに新車・中古車屋を販売しますが当初から手入力の仕訳は行っていません。これは営業が営業システムでクルマの販売データーを打ち込んだと同時に、データーが変換されて自動仕訳されてしまうから。便利な世の中ですねぇ。どんどん事務作業がロボットに取られていきます。
ちなみに修理整備工場の仕訳では得意先工場やディーラーなどからの伝票がこと細かく発生してしまうため自動化はまだまだ出来ないみたいです。でもやっているところはあるんですよね。かなり大手になりますけど。
外注に出した場合は
車検整備を承ったのであれば、
/整備収入×
仮受車税×
仮受自賠×
仮受消費税×
保険代理店の仕訳も似たようなものです。
あとはお客さんから領収書を切って売掛金を回収したのであれば消しこみ作業ですね。売掛金補助簿や仮払金補助簿などの。
または、
ってところでしょうか。
さてさて、入金の際には領収書が必要になります。領収書っていうのは意外と面倒なんですよね。多いときで一日に10回は切ります。さらに100万円とか数えなければいけない場合も。
以下にも仕事内容を書きますが、経理の仕事は間違っちゃいけない。集中したいんですがちょこちょこ金勘定と領収書切りが発生するとうるさくてたまらない。クルマ屋の場合は営業マンが本来金の数えも領収書書きも行うものですが、私がいたところでは全部経理がすることになってました。あぁ、面倒くさい。
続いて、日々発生した仕訳ですね。
例えば、軍手を購入してきたら
コピー用紙なら
お茶代なら
印鑑証明なら
住民票なら
接待交通費などの経費やタクシーなどの旅費交通費もありますね。
続いて、銀行の自動引き落としに移ります。
15時以降は銀行の入出金仕訳で忙しい
15:00に銀行の処理が終了するのでネットで銀行サイトにアクセスして、取引一覧をダウンロードします。
- 水道代
- 電話料金
- ガス代
- 電気代
- 新聞代
- 社長の保険料代
- 有線放送代
- システム使用料代
- カード決済の入金
- ローン決済の入金
- 借入金返済
- 借入金手数料の支払
- 未払金/売掛金の入出金
- バイト募集の広告宣伝費
などなどの処理があります。
引き落としは大抵、1日・5日・10日・20日・月末に集中します。仮にその日が休みの場合は翌日の朝からせっせと仕訳作業を行うから超忙しい。
1社分であれば大したことはないのですが5社くらいになると量があるのでバリバリ戦闘モードに突入します。17:30までに終了させなければいけませんから。(就業時間が17:30残業は禁止されていた)
そんな中で、領収書や札束の数え作業なんてやってられるかバカヤロウ!ってなもんです。
で、全体の仕訳が終われば今度は帳票に印刷します。
印刷が終われば仕訳が正しいか確認します。
ケアレスミスなんて洒落になりません。
で、書き忘れたというか話の流れ上仕方なかったのですが、午前中は前日に印刷したこの帳票を元に補助簿の消しこみ作業を行っていきます。まぁ、一番良いのはその日の仕訳はその日のウチに全部片付けてしまうことですが、量が量ですので。脳みそが疲れていない朝に確認するのが一番効率がいいですし。
銀行に出向いて入出金処理
さてさて、上記は仕訳の作業でしたが経理はこれ以外にも銀行への振込みなども発生します。
全てパソコンで振込みが出来ればよいのですが、得意先によっては銀行の支払い表が送られてきてそれで払わなければならないケースや、オークション会場によっては金額だけ教えられて支払いは銀行の振込み用紙でというパターンも。あぁ、面倒臭い。
あとは4月になったら商品車の車税を100台分とか一斉に払うことになります。個人では1枚送られてきますよね?支払い書が。あれが中古車屋になると100枚送られてきます(笑)
そして振込みだけではありません。お客さんがお店に直接クルマの購入代金を持ってくることもありますから多いときではカバンに1,000万円ほど入れて銀行に出かけることになります。途中で暴漢に襲われて、気が付けばカバンが空っぽになっていたらどうしようとハラハラドキドキしたことは1度だけです(笑)
あとは得意先によって銀行振り込み先が異なる場合もありまして、3~4行ほど銀行をハシゴすることもあります。当座預金入金票を忘れたら入金できません。気をつけましょう。
残りは、相手に送る請求書の発行と、相手から来ている膨大な請求書をまとめての原価計算ですか。
経理の仕事はこんなところでしょうか。
私は下っ端のスライムベス程度でしたのでこんなものでしたが、経理責任者になると月々の予算をどのように割り振っていくかの計算や、月末の締めの作業(特殊な勘定科目を使っての仕訳)や、年度末の決算整理仕訳や、減価償却費の計算。
さらに、年末調整、確定拠出年金の研究、売上伝票に収入印紙を貼っていく作業、社長のゴルフのお供、銀行とのゴルフコンペ出場、銀行のつまらないパーティーへの出席、銀行の営業マンとの借入れ金利の折衝、信用保証かプロパー融資か、経費削減できるものを探し出す等々。
あ、ワンポイントアドバイス。
銀行の借入れ具合によっては個人のキャッシュカードをパワーアップしてもらえる特典があったりします。例えば15:00以降どころか土日祝もATM手数料が掛からないカードにしてもらえるとか、住宅ローンや学資ローンの金利を引き下げてもらえたり。特に住宅ローンなどを組もうとしている従業員は経理担当に相談してみましょう。相談するのはタダですし、実際に金利が下がるのならこれほど嬉しいことはないですし。
だいたい経理業務はこんなところです。
それって経理の仕事じゃねーよ
中古車屋の経理はいい様にコキ使われます。その代表的なものが以下です。
商品展示車の洗車
夏は始業の1時間前から営業とともに洗車をしなければなりません。営業が接客に入ってしまったら一人ででもやります。中腰で疲れるし、スーツは汚れるし、長靴は経費で購入してくれないから自分で買わなきゃいけないし。ムダな日焼けも嫌ですね。女性スタッフ・男性スタッフ関係なく借り出されます。無償で。ふざけんなっ!
メーカーの本社や、地方有力ディーラーの本社であればこんな雑用は絶対しません。
降雪地方の場合、除雪作業も発生すると思います。洗車の比ではないくらいの重労働でしょう。しかも激寒なのではないでしょうか。
中古車屋の経理になりたいっ!という人は少なくとも降雪地方で就職するのは止めたほうが無難です。はっきり言って時間と体力のムダです。
中古車屋の総務の内容は
総務業務については担当者が全てやっていたため、ちと分からない・・・。
少なくとも毎日朝から晩まで総務の仕事はありません。基本的に人が入社したときと、人が退社したとき、給料が発生したとき、健康保険料・介護保険料・所得税計算くらいなものですから。あとは年一回の健康診断のやり取りですかね。
経理事務っていうのは意外と忙しいものです。
特に銀行業務が終わって1日の追い込みをかける15:00以降に経理担当者にちょっかいを出すのは絶対に止めましょう。
中古車屋の経理の給料はいくら?
地方の会社は特に年齢は気にしていません。
どれだけやれるか、やったことがあるのかないのかで基本給が決まります。
少し経理を行ったことがあった私の場合は20歳と30歳の狭間の年齢で、
基本給16万円、総支給が17万円、手取りが13万円でした。
ちなみに上司40歳の経理責任者の給料は、
基本給30万円、役職手当8万円その他諸手当、総支給が43万円、手取りが33万円でした。
ボーナスは夏50万冬50万の合計100万
ちなみに、店長クラスの営業マンでノルマが割りと達成できなかった際の給料と同等くらい。
ただし、地方の中古車屋というのは全員がロクな人間じゃない場合が多く、
経営者とかはヤクザまがいの人も多いのが実情。自分勝手に生きて、たくさん利益を上げてしまうと人間おかしくなります。その典型的パターンが成功した中古車屋の社長です。
社長に気に入られた人間は厚い待遇となり、昇給や出世がうなぎ上り。逆に気に入られなかったらいつまでたっても上がりません。この部分に関してはフェアではないです。大企業で地道に働いたほうが確実に上がります。
この上司は気に入られていた人でしたね。その割りにはリーダーシップや部下の育て方のヘタな人でしたが。まぁ、田舎出身の人で悪さばかりやってきた人っていうのは基本自分だけ良ければ良いという性格の人が多いですから。
私が以前勤めていた中古車屋データ
会社名:○○○○○○
形態:仕入会社/修理修整備会社/販売会社/損保会社
(↑なぜ別々かというと、それぞれの会社から役員報酬を得るため。一社50万として一月の給料が200万円です。上手いやり方だと思う。)
場所:大阪から下の地方
店舗数:5店舗以下
整備工場:あり
取り扱い車種:昔はビップカー、スポーツカーなど利益率の高い中古車が専門。現在は某メーカーの看板を付け加盟したため、コンパクトカー小型車の新車、新古車、未登録車。中古車も軽自動車とコンパクトのみ。
従業員数:40人
役員数:社内5人、社外4人
資本金:3000万等
売上:トータル40億
経常利益:トータル1000万以下
店舗の商品車数:トータル90台
合わせて読みたい続き
¥1,500
税抜き・税込み表示。電卓
カシオの卓上タイプ12桁の本格実務電卓です。
税込み・税抜きボタンで消費税価格を一発で調べることができます。