2014年に発売されたデミオ・ディーゼルXDですが、
2015年にディーゼルに試乗、
続いて、ガソリンに試乗、
その後、ディーゼルをレンタカーにて 381km ほど実際に高速道路・一般道を走行してみました。実燃費は22km
デミオディーゼルXDの目次
目次でございます。
最高の大衆車。コンパクトカーはポロ・ゴルフ。
良いクルマの定義は、
いろいろジャンルがあります。
- 馬力
- トルク
- 車重
- 静粛性
- 乗り心地
- 剛性
- 加速
- 価格が安い
- カッコイイ
- 運転しやすい
- 燃費
- 税金が安い
女子でも子供でも一番分かりやすいのは、
静かさを表す静粛性(せいしゅくせい)
ではないでしょうか。
続いて、
乗り心地の良さ。
しかし、以前は静かなコンパクトカーはありませんでした。
特に日本車のスモールカーと軽自動車はヒドイ。
購入価格が安ければ良いという風潮が現在も続いているため、
- 見た目が良い
- 燃費が良い
- 価格が安い
この3点を実現しているクルマであれば実際に売れてしまうものだから、
余計なコストを掛けて
- 静粛性
- 乗り心地
を高めようなんて思っていません。
日本のコンパクトカーは、最悪なレベル。
ヨーロッパのクルマはなぜレベルが高い?
ヨーロッパには昔から、
速度が無制限の高速道路
( アウトバーン )
があります。ドイツ。
一般市民も
ジャンジャン使います。走ります。スピード出してます。
時速200kmでも、
時速300kmでもOK。
ヨーロッパのクルマはレベルが高い理由は、この無制限の速度が理由。
でもなぜ、
とんでもなく速いスピードが出せる環境が、クルマのレベルに影響するの??
日本のクルマの作り方
日本では、日本国内を 時速 100km/h 以上 出して走ることはできません。法律で決められています。
逆に言えば、
時速 100km/h のスピードを出せるクルマであればなんだって良い。
特に日本だけの規格である軽自動車はその傾向が強い。
100km/h 出せれば、
- ウルサイ軽自動車であろうと、
- 乗り心地が悪い軽自動車であろうと、
なんだって構わない。
安けりゃみんな買うんだ。
コンパクトカーも似たり寄ったり。
- ボディは薄い
- サスペンションは最低限で付いてるだけ
- 遮音性は考えない
- 中低速向きのCVTは高速走行時、燃費に不利&うるさい。
ヨーロッパのクルマの作り方
では、ヨーロッパ車のクルマ作りはどうか?
先ほども出てきたアウトバーンは
時速 200km/h で走るクルマ
が沢山います。
ということは、
安全に
時速 200km/h を走れるクルマが
「 普通 」なんです。
この「 普通 」を実現するために、
ヨーロッパのクルマ作りの基礎は、
速いスピードでも、安全。
高級車であっても、コンパクトカーであっても自然と以下のようになっていくのは誰でも容易に想像が付くと思います。
- ボディ・シャーシが硬くシッカリしている
- サスペンションが良く動く
- 遮音性が高い
- 多段ミッション
ボディやシャーシに剛性があることで、タイヤやサスペンションは正しい性能を発揮できます。
サスペンションの性能が良いと、路面からの衝撃に対して無駄に硬いこともなく、無駄に跳ねることもありません。安全かつ乗り心地が良くなる。
時速200km/hのロードノイズは相当なうるささ。それを車内に響かせない遮音対策。
4速オートマよりも7速・8速・9速とギアが増えることにより、速度全域でエンジン回転数を抑えることになり、低燃費・静粛性・低振動となる。
時速 200km/h で 「 普通に走る 」ことを前提にして製造したヨーロッパ車を、
時速 100km/h 制限の、日本の環境で走らせたらそれはもう天国。
まぁ、当たり前です・・・。道理です。
めちゃくちゃクルマがしっかりしてて、すごい静かで乗り心地も良い。多段ミッションなので燃費も良い。
昔からヨーロッパ車に乗っている人は、単にお金持ちという場合もありますが、同じクルマを運転するなら 「 快適なクルマ 」を誰だって選びます。これまた道理。
(※ただし、9速オートマなどの場合、時速100km/hを出しても9速に入りません(苦笑)もっと高い速度域じゃないと入らない。日本の高速道路でトップギアに入るミッションは8速AT辺りが限界です。)
コンパクトカーNo.1はドイツのゴルフ
女子でも子供でも聞いた事がある外国のクルマメーカーといえばベンツかフェラーリ、ポルシェかBMWでしょうか。
※私も試乗してカルチャーショックを受けました。下で登場するゴルフかポロ、ベンツのCクラス、BMWのアクティブツアラー225xeプラグインハイブリッド4WDが欲しいなぁと考えてます。
無論、高級なクルマメーカーは他にもある。( ベントレー、マセラティなどなど。浮世離れとはまさにこのこと。 )
スポーツカーを除いて、やはり庶民の象徴はメルセデス・ベンツ。ただし、
世界で最も売れているコンパクトカーを製造しているのはベンツと同じドイツの 「 フォルクス・ワーゲン 」社の 「 ゴルフ 」というクルマ。
香妻琴乃選手がやっているスポーツのゴルフと同じ発音で紛らわしいのですが・・・。
ゴルフが世界No.1のコンパクトカーであり、他のクルマメーカーが目指しているお手本なんです。
ちなみに1,200ccで7速ATターボ。カタログ値は20km。中古は50万円から。
ちなみに、ゴルフのサイズを一つ小さくしたのが 「 ポロ 」であり、日本で言えばフィット・マーチ・ノート・ヴィッツ・ミラージュ・スイフトと同クラス。
ゴルフと同じ1,200ccで7速ATターボ。
正直、日本のコンパクトカーでは
ゴルフ・ポロに逆立ちしたって勝てません。
日本の自動車の評論家・自動車雑誌の編集者は
メーカーとズブズブな関係なので
悪いものを悪いとハッキリ言うことが出来ません。ご飯食べれなくなっちゃいますから。
だから、
「 エンジンは元気があります 」とか、
「 日常面ではトルクに不満はないかもしれません 」などと確信を外した歯切れの悪いコメントをするばかり。なんだかなぁ。
で、
日本車で対抗できうる性能
を持っているのがデミオ・ディーゼルということ。
間違いなく日本のコンパクトカーでNo.1 or No.2です。
ガソリン・ディーゼルについて
デミオにはエンジンが2種類あります。
ガソリンとディーゼルです。
ガソリン車のメリット
- クルマの本体価格が安い
- 車重が軽い
小排気量のデメリットとしては、エンジンの回転数がうるさい。
ディーゼル車のメリット
- 軽油でガソリンより1リットル20円安い
- 高トルクでエンジンを回さない、静か。
- 100kgは重いので高級車のようなドッシリ感がある。
- そもそも燃費が良い( 特に長距離ドライブ )
デメリットは、ガソリン車に比べて40万円高い。40万円を低燃費で回収は10万キロ走っても無理。
ハイブリッド車のメリット
- 中低速時はモーター駆動でものすごい静か。モーターアシストで静か
デメリットは、信号が割りとある地域で使うとトータル燃費が期待値を大幅に下回る。高速走行はエンジン駆動となり車種によりウルサイ。
プラグイン・ハイブリッド車のメリット
- モーター駆動だけで距離20km以上走れる。ガソリンを全く消費しない
- バッテリーが切れそうになるとエンジン駆動になるため燃料切れの心配が無い
- EVのように大量のバッテリーを積んでいないので、一般家庭の100V充電でも十分使える。
EV車のメリット
- 電気自動車は高級車並みにめちゃくちゃ静か。
- 燃料代が電気代となり、価格は1/3程度になる( 深夜電力契約 )
- アイミーブなら実測距離80km~以上走れる。リーフなら200kmほど。テスラなら300km~400km
EVのデメリット、充電スポットの充電渋滞を考慮しなければならない。充電スポットと走行可能距離を気にしなければならない。
一戸建てじゃないと充電できない。
200Vへの電気工事が必要
深夜電力料金で運営しないとお得ではない。
冬は寒い。ヒーターあるけどヒーター使うとバッテリーを消費してしまうので、ヒーターは最弱、そしてシートヒーターで暖を取ります。ポカポカでは運用できません。
どれを買えば良い?
自分はもちろん、妻や子供、家族に快適なドライブを楽しんで欲しいならうるさいガソリンエンジンは止めましょう。
この時点でデミオのオススメはディーゼルのXDということに。燃費うんぬんの前に、静かで快適なんです。
ハイブリッドについては信号のあるストップ&ゴーの街中こそ高燃費を期待したいのですが、残念ながらそんなに燃費は伸びません。よって燃費が良いから買うというよりは、ディーゼルと同じく静かで快適だからという理由で購入するのが正しいです。
プラグインハイブリッドについては、電気自動車( EV )としての使い方を考えているが、電気切れで遠出ドライブを不安視している人にピッタリです。最近のPHVは電気だけで距離50kmほど走れるようになってきました。片道25kmであれば電気代のみ。ガソリンを消費しません。ただ、毎日充電するなら電気代の安い深夜電力を検討する必要があります。
EVについては、絶対遠出をしないのであれば、実走行距離 80km ~ 100km の三菱アイミーブが中古で50万円ほどから購入可能。実走行距離 120km ~ 140km の初期型リーフは50万円ほどから。遠出を考えている人は自分に計画性があるかどうかを回りの人に判断してもらった上で購入しましょう。
ただ、車内は本当にメチャクチャ静かで超快適です。友人が事故車のリーフを当時90万円で購入しましたが乗ってビックリとは正にこのこと。
デミオの特徴
では、デミオの特徴をぱぱっと説明していきます。
このピンクのような紫色はどうかと思いますが・・・(笑)
ちなみにこちらはガソリン車です。
ハッチバック
オルガン式ペダル。
隣のブレーキペダルは上から釣り上げられているタイプですが、オルガン式ではペダルを踏み込みやすい、操作しやすくなっています。高級車に採用されています。コンパクトカーではデミオだけ。
ドライバーを中心にしたコックピットレイアウト
ハンドルが身体の中心に配置される、足を自然な位置に置くとそこにペダルがある。クルマは普通このようにデザインされますが、スペースの小さいコンパクトカーや軽自動車ではズレているんです。不自然な位置に。それを正しい位置に配置したのはコンパクトカーではデミオだけ。
また、エアコンのボタンなどは必要最小限に纏め上げてスッキリとしたダッシュボードもデミオの特徴です。シンプルですがプラスチッキーな安い感じはまったくしないデザインです。
狭い後席にアイデアを
デミオに限らずコンパクトカーの後席は狭いのが通常ですが、デミオでは前席の後ろ側の生地。
この部分に後席に乗る人のヒザが当たるワケですが、実は5cmほどえぐれているのでヒザが当たりません。
コンパクトカーの後席のフィット感
日本のコンパクトカーの後席は折り畳みを考えているため背中直角、オシリ直角でお世辞にも乗り心地が良いものではありません。
デミオでは、身体のラインに沿ってくぼみをつけたシートデザインを採用。他のコンパクトカーよりも身体の収まり具合が良いです。安い
また、プリウスのように後席に座って天井に頭が付くようなことはありません。
四つ目のエアコン吹き出し口
クルマのダッシュボードには4つのエアコンの吹き出し口があるものですが、ドライバー中心のシートレイアウトを採用したデミオの場合、左右対称のデザインを捨てました。4つ目の吹き出し口はセンターモニター下にあるハザードスイッチの左ヨコにデザインされています。
送風配管のデザインが大変だったそうです。
コンパクトカーで初の足回り
コンパクトカーの2WDと4WDのリアサスペンションの形式は異なります。乗り心地、走りの面では2WDサスペンション設定のほうが良いのです。
デミオではコンパクトカーで初めて4WDでも2WDと同じセッティングを可能にしました。革命です。
また、デミオの4WDは対角線スタックなど特殊な埋もれ方に強いスバルの4WDシステムとほぼ一緒になりました。アホみたいに雪の深いところ行かない限り最強の走破性を誇る4WDシステムです。軽自動車やその他のコンパクトカーの4WDとは根本的に異なります。
プロジェクターヘッドランプ
水晶体が特徴的なプロジェクターヘッドランプです。
ロービーム点灯時
メーカー純正のナビ
ベンツやBMWなどでは既に普通なのですが、メーカー純正のナビ画面と、操作するためのロータリースイッチが装備されます。マツダではこれをマツダコネクトと呼んでいます。
従来の2DINサイズの汎用カーナビゲーションをメーカーオプションで取り付けら得るというものではなく、ダッシュボードにスッキリとモニターのみ配置して見易さとデザイン性に特化したナビが現在の流行です。
ガソリン車のメーター
これはガソリン車のメーターです。タコメーターのレッドゾーンの終わりが8,000回転まであります。
また、安価なCVTではなく、6速オートマチックミッション。CVTが苦手としていた高速走行の静けさと低燃費を実現しています。
ヘッドアップディスプレイ
晴れた日でも見やすかったですね。
G-ベクタリング コントロールについてですが、デミオではなくCX-5で試しましたが体感は出来ませんでした。これは女性や子供だけではなく男性も恐らく体感するのは難しい機能だと思います。
レンタカーでデミオXDを借りてドライブ
で、札幌のタイムズ・レンタカーでXD_4WDをレンタルしてドライブスタートです。
ドライブの道順
札幌大谷地
↓( 高速道路 )
三笠
↓
富良野市
↓
美瑛
↓
東川町 ( 旭岳温泉_湯元 湧駒荘 スノーボードで銀メダルを取った竹内智香の実家 )
デミオ・ディーゼルの高速走行
本当に楽でした。この一言に尽きる。
安易にCVTが流行っている日本のコンパクトカー市場に6速ATを導入したマツダは偉い。
時速 100km/h 回転数は1,700rpm ほどでした。
6速オートマチックミッションだけでもエンジンの回転数はものすごく抑えられるため高速走行の車内は静かそのものなのですが、さらに静粛性に貢献しているのがコンパクトカー離れした剛性の高いボディ。遮音性も素晴らしかった。そして高トルクを発生するディーゼルターボエンジンも静粛性に一役買っています。
日本のコンパクトカーの中で静かに楽に高速道路を走行できるのはぶっちぎりでデミオディーゼルです。間違いない。フォルクスワーゲンのポロと同等ですね。高評価です。
欲を言うなら他の騒音が抑えられているため、ロードノイズが耳に付いちゃうこと。この点はポロに劣る。ただ誤解の無い様に申し上げますとこのロードノイズも他のコンパクトカーと比較するとずいぶん押さえ込まれています。
改善するなら、ちょっとお高いコンフォートタイヤを装着すればOK。ブリジストンならレグノ、ダンロップならLE MANS V ( ル・マン・ファイブ)、ヨコハマならADVAN/dB ( アドヴァン・デシベル )。
余談ですが、FFだろうが4WDだろうが、物理的にディーゼルエンジンを積んだクルマはフロントが重いので前タイヤだけ減りが早い。3,000kmくらいでタイヤのローテーションを行ったほうが良いと思います。
一般道、坂道運転
踏めば高トルクで重たい車重を軽々引っ張ってくれます。これもなんら不満はありません。静かでゆったりドライブにもってこい。素晴らしい。
坂道でも軽々とグイグイ上っていくトルクがやっぱりすごい。トルクのおかげでエンジンが回らないので静かです。ガソリンデミオじゃこうは行かない。
ただ、欲を言うとしたらもっと車重を感じさせないフィーリングを出して欲しい。ポロはディーゼル4WDデミオよりも70kg軽量ですが、その差以上に出だしがメチャクチャ軽やかです。文字通りスーイスイ。100kg軽いガソリンデミオも試乗はしたことがありますがダメでしたね。
マツコ有吉のかりそめ天国で紹介された北海道8種のプリン、
その1つに数えられたのが、ここ湧駒荘 ( ゆこまんそう ) のレストランで出される、
白いコーヒープリンです。
381km の燃費は 22km
で、走行距離が 381km
給油した軽油の量が、16.59リットル
計算すると、リッター辺り 22km となりました。
デミオ・ディーゼルのまとめ
コンパクトカーが欲しい人で、静かなコンパクトカーが欲しい人は、
- デミオ・ディーゼル
- フィット・ハイブリッド
- 4代目スイフトRSt
- フォルクスワーゲン・ポロ
ですね。
オールラウンダーで軽やかに走りたいなら断然ポロ。
街中メイン、週末はたまーにドライブという人ならフィットで十分。またはスイフトRSt
長距離が多いならデミオ。
というか、買うに値するコンパクトカーはこの4台しかないと思う。
ノートe-powerは燃費良いけどクソ煩いから買わないほうが良い。あれほど遮音性という概念が無いクルマに乗ったのは初めてだ。
ヴィッツやアクアは外見の見てくれだけで、内装の安さに開いた口が塞がらない。
ノーマルのスイフト・ハイブリッドスイフトは本当に見た目だけ。中身は本当にダメ。足が変に硬くて不快だ。さらに実用トルクが細いので走り出しの際、エンジンノイズが耳に煩い。
スイフトを買うなら、乗り心地が良く静かで加速も燃費も良い1,000ccターボ6速ATのRStだ。
ちょっと後席が広いほうが良いというならゴルフですね。現行モデルは7代目ですが、6代目でも十分過ぎるほどの性能で、ポロよりさらに静粛性と乗り心地が向上しているモデルです。中古では50万円からあります。
私なら、軽やかさを考えてフィットハイブリッドかポロかゴルフを選択します。デミオディーゼルの走り出しがもう少し軽やかになってくれたら考えます。