久々にカルチャーショックを受けました。それがスバル2代目ステラ。
軽自動車は非力だからターボが無ければうるさいものだと思っていたら、うるさい原因は実は4速ATだったとは。
CVT(無段階変速機構)はエンジン音を低回転に抑えることができるため、エンジンを低回転で最大トルクが出るようなセッティングにしさえすれば、
ターボが無くても、鬼のように静か。
( 実際はうるさいですけど、初代ムーヴの5MT・NAと、3代目ムーヴの4AT+ターボを乗ったことのある身としてはこのぐらいの衝撃。)
で、FFの実燃費が驚愕の20.5km/L
では、2代目ステラ(5代目ムーヴ)のNAモデルの試乗レビューと感想をご覧ください。
目次でございます。
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1軽自動車のNAがうるさいという常識は、2006年で終わっていたらしい。
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2軽自動車 + NA + 4速AT = うるさい
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3軽自動車 + NA + CVT = 静か
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4で、マジで燃費が良い。なんだこれは。
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5初代ステラはスバル製
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62代目ステラは5代目ムーヴ、ダイハツ製
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7座り心地の良いシート
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80-20km/hがスムーズ。なんだこれは!
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920-60km/hもエンジンの回転数は気にならず。
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1050km/hからロードノイズが気になる
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11バイザーが原因?80km/h~の風切り音
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12デメリットはやはり高い天井だった。
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13背の低いNA+CVTを試してみたい。
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14NA+CVTは軽自動車でも家のメインカーに成り得る性能。
ステラとムーヴの歴史
スバル・ステラは現在3代目まで発売され続けておりますが、
初代は、メイド・イン・スバルなのですが、
2代目(今回試乗)と3代目は、ダイハツ・ムーヴにスバル・マークを付けただけのOEM(オー・イー・エム)です。
Original Equipment Manufacturing( 相手先の商標製品の製造/販売 )
どちらがダイハツの売り上げが高くなるか?
- ダイハツの販売店でムーブを売る
- ダイハツとスバルでムーヴを売る
もちろん後者です。
スバル自身も、自社で軽自動車を開発するコストがゼロ、ステラを売れば売るほどダイハツから報奨金が入る仕組み。
クルマを開発して大ヒットすれば開発コストを回収したうえに売り上げガッポガッポの「濡れ手に粟」状態になるのですが、
クルマを開発して全く売れないと開発コストを回収できず赤字です。
スバルの軽自動車は、ダイハツ・スズキに比べて「性能が良い」のが特徴。コストが掛かっているのが特徴です。
- 四輪独立懸架式サスペンションで乗り心地の性能が良い
- 4気筒エンジンで振動・騒音の少ない加速が魅力
- ターボではなくスーパーチャージャーで実用域が走りやすい
しかしながら、万人民衆の胸に刺さることがありませんでした。
私個人的には、マーケティングとアピールの仕方(CM/広告戦略)がダメダメだったのではと。いくら良い製品でも民衆が知らなければ買ってもらえません。
トヨタと比較すると、スバルのクルマは「とがって」いるクルマが多いかと。良い意味でも悪い意味でもマニアック。
- レガシーでラリーに挑戦
- ジウジアーロデザインのアルシオーネSVX
- インプレッサWRXでラリーで大活躍
- ヴィヴィオ・ビストロのレトロデザインで女子受け
- 2ドア高級ミニマム・R1
- ムーブより背の小さい4ドア・R2
- いわゆる背の高い箱型のミニバンが無い
- 背の低いセダン・ステーションワゴンばかり
とがっていないのはフォレスターとか今時のインプレッサくらいでしょうか。( SUVの中でもフォレスターは抜群に運転しやすいので大好きですし、2代目インプレッサの剛性・3代目インプレッサの出来の良さ・4代目インプレッサの静粛性と四駆でタイヤがアスファルトにピタッとくっ付いている感などは本当に感動 )
今でこそ、アイサイトで大人気のスバル車ですが、トヨタ・日産・ホンダと比較すれば小っちゃい販売台数しか稼げていません。
小さいからこそ、魅力ある軽自動車づくりを行ってきたけどそれが逆に自社軽自動車開発にとどめを刺してしまったというか...。個人的にとても悲しい。
軽自動車にアイサイトを付ければ無敵だったのに。アイサイトがあと5年早く市場に出回っていればOEM戦略は取られなかったのかなぁと想像します。
で、自社開発で博打を打つよりも、他社の軽自動車をOEMで販売して利益を確実に稼ぐ戦略を取りました。
2代目ステラは
5代目ムーヴのOEMでございます。
そんなムーヴの歴史は以下の通りです。
1995年、今でこそ「男ウケ」するデザインを「カスタム」と表現していますが、それは初代ムーヴから。キャッチコピーで「裏・ムーヴ」。CMソングは黒夢でした(笑)ただ、5MTのノンターボを札幌から滝川まで運んだことがありますが、踏んでも速度が全然上がらなったですね・・・。
1998年、2代目ムーヴではなんと「4気筒エンジン」を搭載した「RS」が登場。写真左。でコラムシフト。
2002年、3代目ムーヴのカスタムRのターボを所持していました。写真左。RSには30万円のセットオプションでレーダークルーズコントロール(ACC)を付けれました。
2006年、4代目ムーヴ。CVTモデル誕生。リベラーラで働いていたイトコが一時的に乗っていた。この時点で実はもう静かだった(CVTモデルに限る)。コラムシフト終了。う〇こなセンタメーターが採用されてしまう。
2010年、5代目ムーヴで、全グレードでCVTを採用。アイドリングストップ機能がスタート。NAモデルでもCVTとCVTと相性の良いエンジンセッティングにて実用域ではターボ要らずの高性能で、かつ夏場のFFの実燃費が18km/L。
後期型でセンターメーターが通常位置に戻り、衝突回避ブレーキが付いたり、レーダークルーズコントロール(ACC)が選べたり、ミライースのイーステクノロジーが全グレード採用でJC08モードでターボFFが24km/L・NAのFFで29km/L(CVTサーモコントローラーの追加とCVTのハイギア化)。ムーヴは5代目後期型で最強だと思って間違いなし。2022年5月現在、後期のターボモデルは5万km以下が50万円代から購入可能。
2014年、6代目ムーヴは、5代目ムーヴの静粛性とボディ剛性がUPしたバージョン。カタログ燃費も多少向上。ただし、レーダークルーズコントロール(ACC)モデルが無いのは理解できない。ACCモデルがリリースされない限り、6代目ムーヴは買う価値ナシと思っています。
2021年度の軽自動車の販売台数ランキング
以下は2021年度の軽自動車のランキングです。背の高い
- 背の高いスライドドア ホンダ・N-BOX 約20万台
- 背の高いスライドドア スズキ・スペーシア 10万台
- 背の高いスライドドア ダイハツ・タント 10万台
- 背の高い ダイハツ・ムーヴ 8万台
- SUVちっく スズキ・ハスラー 7万台
- スズキ・ワゴンR 7万台
- 背の高いスライドドア 日産・ルークス(三菱ekスペース)7万台
- 背が低い ダイハツ・ミラシリーズ 6万台
- SUVちっく ダイハツ・タフト 6万台
- 背が低い スズキ・アルト 5万台
背が高くてスライドドアが付いているので子育て世代に大人気。子育てが終わってもそのままメインとして、もしくはセカンドカーとして所有し続ける人が多数です。
80年代はミラ、90年代はワゴンR、2000年代はタント、2010年代はN-BOXって感じです。年々ボディが大きくなり、スライドドアまで付きました。
で、タント10万+スペーシア10万=N-BOX 20万台 の理由としては、
N-BOXは普通乗用車のように軽自動車を作っているところでしょうか。室内デザイン・ダッシュボードデザイン・メーターデザイン・シートデザインなどが秀逸ですし、ホンダセンシングによる衝突回避とレーダークルーズコントロール(ACC:アダプティブクルーズコントロール)がちゃんと設定されているところが人気の理由です。
よって、6代目ムーヴにACCが付いていないのは本当に意味不明です。おそらく軽自動車が売れすぎると親会社のトヨタの販売台数が減るということかと思います(憶測)ホンダは1社で普通車も軽も製造販売しているのでそのようなシガラミが無いのが強みなのかしら。
2代目ステラは、5代目ムーヴのOEM
初代ステラはスバル純正です。貴重ですね。
- 4輪独立懸架式サスペンション
- スーパーチャージャー
- 4気筒エンジン
2代目ステラからOEMになりましたので上記の高級スペックは全て無くなりました。
もしスバルの軽自動車にアイサイトVer.2が搭載されていたら首の皮が繋がりダイハツのOEMとはならなかったはず・・・。
ステラベースのスライドドアの登場で、スバル・ホンダ・ダイハツ・スズキの4社によるスライドドアハイトワゴン戦争になっていたかと思われますねぇ。
現在の3代目ステラもムーヴのOEMですが、4代目ステラがスバル自社開発・アイサイト付きで登場したら面白いですね。
2代目ステラのエクステリア
試乗車は、2012年8月登録の2代目ステラになります。
2WDのFFで、重量 810kg(ソニカのFFよりも10kgも軽い )
高さは、1M63cm
馬力:52ps / 7,200rpm
トルク:6.1kgm / 4,000rpm
では早速、エクステリア(外観)を見ていきましょう。
色はシャンパンゴールドメタリックⅡです。
フロント回りのデザインに安っぽさはありません。なかなかカッコいいデザインだと個人的に思います。
クロームメッキな1本線グリルは良いセンス。
スバルの六連星(むつらぼし)エンブレムは作りがキレイなんですよね。
ヘッドライトはマルチリフレクターのハロゲンヘッドランプ。
雨の写真で申し訳ありませんが、実際に見るとキレイでうっとり。内側にスモールランプ、下側にウィンカーランプ。キレイに光ります。
で、夜の光量ですがひと昔前に比べると「本当にハロゲン?」というくらい明るいです。ちょっと感動しました。オレンジ色の光なので夜の雨では間違いなくダントツに運転しやすいと思う。
(ただ、光は白くなきゃヤダ!という人は社外のHIDキットをどうぞ。)
ヘッドライトを横から見ると、ダイハツのエンブレムマークのように見えますね。おそらくデザイナーは狙ったかと(笑)
フロントガラスの傾斜はボンネットとほぼ同じ角度。これで空機抵抗を減らして燃費に貢献しているワケです。
室内空間を広く設計しているため、本当にボンネットが短いことが良く分かります。
13インチタイヤを装着しているためそんなに感じないと思われますが、エンジンルームの省スペース設計はダイハツすごい。
ただ、ドアのカギ穴はそろそろスマートに隠していただきたいかも(笑)
リアデザインは可もなく不可もなくといったところ。
ハイマウントストップランプは付いてますし、女性にも開けやすい横開きバックドアと縦長バックランプはムーヴの特徴ですねぇ。
ステラエンブレム
2代目ステラのインテリア(内装)
続いて内装を見ていきましょう。
ドアを開けます。
フロントはベンチシート。収納付きのひじ掛け(アームレスト)が便利。
背もたれの腰部分は包み込むような形状でGood。
背の小さい人でも運転しやすいようにシートリフター機能付きです。
後席は・・・、すみません。このステラは次のクルマが来るまでの代車であり、荷室に積んでいた荷物をそのまんま移動させてます。ごちゃごちゃ感あいすみません。
ただ、ソニカと比べると「これでもか!」というくらいやっぱり広いですね。
ラゲッジスペース(荷室)を軽自動車に求めてはいけません(笑)
小さいキャスター付いた二泊用のキャリーバッグも厳しいかと・・・。
ただし、後席は前方にスライドしますのでスライドすれば七泊のキャリーもラクラク積むことが可能ですよ。
写真では写っていませんが、ラゲッジスペース横の壁に照明ライトがあります。
ダッシュボード回りを見ていきましょう。
まずはセンターパネル。
- スピードメーター
- オーディオ
- エアコン操作パネル
- シフトノブ
センターメーターは過去にトヨタが提案して、そのトヨタが捨てた黒歴史があります。トヨタに言わせると「進行方向との目線移動が少なくて安全」という話ですが、運転しづらいのが実情。
なぜセンターメーターが良いのかというと、グローバルな販売をすると「左ハンドル用のダッシュボードデザイン」と「右ハンドル用のダッシュボードデザイン」のコストがどうにも無駄なんです。よってセンターメーターのダッシュボードがあればコスト削減と。
ちなみにライトを付けると以下のように点灯します。
インフォメーションディスプレイ
オドメーター( 総走行距離 )
トリップメーターA
トリップメーターB
ちなみに燃料タンクメーターは常時表示。
航続可能距離。現在の燃料残量であとどれくらい走れるかの目安。
ちなみに以下の残量で、あと213km走れるらしい。
ステラFFの燃料タンクは36リットルです。
外気温計
平均燃費計
続いて純正オーディオ。
2012年の純正オーディオにはさすがにAUXポートがあります。
続いて、エアコン操作パネル。
はっきり言って非常に使いづらい。パッと見で使えないのは失格。質感は良いのですが。
ちなみにエアコンをONにすると自動的に外気が内気に切り替わります。あと、フロントガラス除湿モードに設定している場合はエコアイドリングストップ機能はOFFになるらしくエンジンがかかりっぱなしになる仕様です。
で、シフトノブ。
大人の男性の手だと握りづらい小さい形状。どうにかならんものかなぁ。
ちなみにDドライブからSドライブへはボタン使わずとも上げ下げ可能。SからBドライブだとボタンを押さなければ変更できません。
テリオスキッドやアトレーなどのシフトノブは大柄で操作もしやすければ握りやすかった。
最下層には、小物入れと12Vのシガーソケットプラグがあります。
続いて運転席。
ステアリング形状はなかなかカッコいいかと思います。ただしウレタンなので握るとやはり安っぽいですね・・・。
ウィンカーレバー、ワイパーレバーは太くなり質感UPです。
センターメーターなのでハンドル奥にはメーターはありません。代わりに収納スペースが
このように。
ダッシュボード上と、側面ではシボのデザインが異なります。芸が細かい。
収納式のカップホルダー。
大変便利な装備です。
エコモード、エコアイドルOFF、ヘッドライトレベライザー。右二つはおそらく横滑り制御のON/OFFスイッチなど。
※エコモードで走行すると、エアコンをつけている場合は信号待ちで風量1になったり、普段からエアコンの風が弱めに。真夏だとツライ。
ヘッドライトレベライザーは0・1・2・3・4・5の6段階ですが、通常は0で。後席に人が乗った場合に上げましょう。
以下は、ドライバー1人乗車で、0と5の違いです。
サイドミラーの角度調整付きパワーウィンドウスイッチ。
助手席側を見てみましょう。
グローブボックス。
前席のドアスピーカーはこの位置です。
ちなみにオプションで6スピーカー設定があるのか、Aピラーにツイーター用の穴が開いています。
アームレスト。
アームレスト内蔵の収納ボックス
室内灯。左右はプッシュすると常に点灯するタイプ。
サンバイザーの内側に鏡。ただし鏡に照明は付きません。
ステアリングの下に収納スペース。その下にはパーキングブレーキ、ブレーキペダル、アクセルペダル。
後席の天井横にルームランプ
2代目ステラの試乗レビュー
加速性能や静粛性について
では実際に試乗で走行してみて分かったこと、感じたことをレビューしていきます。
履いているタイヤは2014年製の13インチのスタッドレスタイヤです。
まず、エンジンの掛かりがとても良い。ソニカと比べると「セルモーター別物?」と思うくらいスパッとスムーズに掛かります。好印象です。
で、ステアリングが重い。高速道路などではブレがないため良いのですが、一般道の交差点を曲がったり車庫入れのときは「重たいな」と感じちゃう。
加速性能というか、走り出しについては合格。CVTによりエンジンは低回転を維持するので静か。低回転でトルクが出るようなエンジンセッティングなのかターボじゃないのに走り出しがとてもスムーズ。特に0~20km/hがちょっと信じられないくらい良い走り出しをします。
そこから50km/hまでスルスルっと加速します。昔のNAの4ATのように加速中にエンジンが唸ることがありません。
50km/hを超えるとロードノイズが目立ってきますね。
100km/hまでスピードを出しましたが、普通にペダルを踏んで普通に100km/hに到達できます。
ターボに比べると100km/hに到達する時間は掛かりますが、100km/h時のエンジンの回転騒音についてはCVTにより低く抑えられているので、ひと昔前のNA+4ATの軽自動車を体験している自分にとって「本当に信じられない」くらい静かです。CVT様々です。
ただ、タイヤの騒音以前にフロアの鉄板が普通車よりも薄いからロードノイズが車内に抜けてしまうのはこのステラも一緒。フロアのカーペットを剥がして防音材を敷くことで車内の静粛性が簡単にUPするはず。
風切り音については、この車にはバイザーが装着されていますがそれが原因で時速60km/hくらいで目立ってきます。エンジン音は気にならないので惜しいポイントですね。
バイザー付きのクルマに久しぶりに乗りましたが、バイザー無しのクルマだと窓ガラスを少しだけ開ければ車内の空気を入れ替えることができますが、バイザーが付いていると結構開かないとダメですね。個人的にはバイザーは不要。タバコも吸いませんし。
そして最大の懸念ポイント、幅がせまいのに天井が高い設計のため重心が高いというポイントについて。残念ながらハッキリ弱点として出てきます。
時速30km/h程度で緩いカーブを曲がっているならそんなにですが、道が歪んでいたり、マンホールを踏んだり、砂利道を走ったり、おそらく冬の圧雪のデコボコ道を走っても、頭が揺すられるというか、身体はそのままでボディ全体と一緒に椅子がグラっと素早く動く傾くという感じです。
ステラが前後に揺れた場合も同様で、高等部がヘッドレストにコツンと当たっちゃうことが度々あるのがいただけない。
普通車の例えばトヨタのノア・ボクシーみたいなミニバンではこのような挙動はあまりでません。なぜなら背が高いけど幅があるから。
幅がせまいのに天井が高いのは軽自動車のハイトワゴン系に一生付きまとう大問題ですねぇ・・・。
個人的に運転していて疲れちゃいます。(現在のダイハツ車のラインアップで新車を買うなら、背の低いミライースかミラトコットのNA+CVT を購入して社外の電子ペダル用のクルーズコントロールキットを付けちゃうかしら。)
(ただ、子育て世代だとやっぱりスライドドアなんですよね。回りを気にせずドアパンチを気にせず開け閉めできますもの。ママに人気なのも頷けます。)
乗り心地について
乗り心地を語る前に、このステラに装着されているタイヤは13インチです。
2022年の一般的な軽自動車のタイヤサイズは3つ。
- 165/55R 15インチ:厚み 9cm
- 155/65R 14インチ:厚み 10cm
- 145/80R 13インチ:厚み 11cm
1990年代や80年代には12インチ・11インチなんてサイズも流通してましたが。
私はダイハツの背の低いソニカに15年乗りましたが、最上級グレードだったので15インチでした。タイヤの厚みが薄くなればスポーツ走行に都合が良くなります。コーナーを曲がっている最中にタイヤがグニャっと寄れてしまうことがなくなるので。同じくブレーキを掛けた時もタイヤが変形しづらいため前後左右に挙動が安定して結果的に速く走ることが可能です。
しかし、タイヤが薄いと乗り心地が悪くなります。タイヤで路面の衝撃を吸収しきれずそのままサスペンションへ。バネ&ダンパーで衝撃を吸収しきれなかった場合、衝撃はそのまま車内に伝わりドライバーは不快な思いをするわけです。
これが海外の高級車になると、お金の掛かったサスペンションが本当に良い仕事をするため、恐ろしくタイヤが薄いハズのに乗り心地は抜群に良いという「ちょっと信じられない現象」になるのですが、軽自動車でお金の掛かったサスペンションはありません。よって15インチのソニカの乗り心地はそこま良くないんです。それが証拠に冬に14インチのスタッドレスに履き替えると天国でした。
つまりこのステラ、
もともと重心が高いので揺さぶられやすい。
13インチタイヤは乗り心地はソフトになるが、厚みがある分揺れやすい。
背の低い軽自動車なら単に「乗り心地が良くなる13インチ」なんですが、
背の高い軽自動車だと、「乗り心地は良くなるけど、さらに揺れやすくなっちゃう」という作用・反作用?比例・反比例?良いんだけど良くない組み合わせというか。
それを踏まえて以下レビュー。
まずシートに厚みがあるから「座り心地」は悪くありません。2代目ムーヴを所有していたからわかるのですがベンチシートなのに腰のサポートの盛り上がりがあるため「収まり具合」も悪くない。進化していますね。
ただし、スバルの4WD車みたいにアスファルトに吸い付く最高の足ではないので、マンホールに落ちたりすると「突き上げ」は感じます。そこはお金をかけることが不可能な軽自動車のサスペンション。シートの良さで身体に伝わる衝撃はやわらかくなっていますが「突き上げ」はあります。
ただ、デコボコのない平坦な道を走る場合は「ドッシリとした乗り味」なので長距離を走ってもいいかな、と思わせてくれるところが不思議です。
夏タイヤの14インチで走行を試すことができなかったのが残念でなりません。
10数年前からミニバン用タイヤ・軽の背の高いクルマ用のタイヤというものが販売されています。タイヤの内側は普通で、タイヤの外側はちょっと固めに製造することで「走行時のふらつき」を抑制できるタイプ。
このタイプを日本で最初に販売したのはトーヨータイヤ。F1ドライバーだったジャン・アレジとその妻の後藤久美子がCMをやってましたね。当時はトランパスという銘柄。今は「トランパス・エルユーケー」というのが軽自動車専用の銘柄です。
タイヤの話。冬タイヤのグリップの豆知識
私も今年になってようやく気付いたのですが、夏タイヤでアスファルトでグリップを稼ぎたいのであれば「タイヤの幅」が大きければ大きいほど良い。
- 165/55R 15インチ
- 155/65R 14インチ
- 145/80R 13インチ
この中では、15インチの165mm=16.5cmが1番グリップが良いということに。接地面積が1番大きいから。
※ただ、接地面積が大きいということは「摩擦が大きい」ということ。つまり燃費は悪化します。
で、不思議なのが冬タイヤ。
雪の影響で、以下の状況になります。
- シャーシ裏まで積もっている雪道で埋まらずに進む
- 氷で滑っちゃうアイスバーン上で止まる曲がる
冬に走りやすい・止まりやすいのは「幅が大きいタイヤ」だと思いますよね?普通は。
しかし、雪の積もった道では「抵抗が大きくなる」ため実は走りづらい。「接地面積が小さい」細いタイヤの方が走りやすいし逆に埋まりづらい。
ただアイスバーンなどの超・低ミュー(ツルツル状態)では、太いタイヤ(接地面積が大きい)方がグリップ面を集約させやすい。
除雪されていない雪深い道を走るなら、細い方が良い
圧雪・アイスバーンでのグリップなら、太い方が良い
ということ、らしいです。
個人的には制限速度を忠実に守るので、細い方が良いかなぁと思っています。
2代目ステラのココがダメ
ステラの弱点はハイトワゴン共通の背の高さからくる車体揺れです。
それ以外には、ワイパーの拭き取り範囲ですね。
助手席に座っている人からしてみると、「もう少し拭き取り範囲が大きくならないものか?」と。
ミニバンのように2本のワイパーが内側からクロスするタイプにするべきですね。
あと、エアコンの吹き出し口がハンドルの左側の真ん前のため、エアコンの冷たい風が左手に掛かって冷え過ぎてしまいます。これはハッキリ言って不快です。
また、アイドリングストップでエンジンが止まっている間はエアコンが弱風で送風されます。しかしエアコンのコンプレッサーは停止するためしばらく止まっていると温い風に。
エアコンと言えばカビ臭いニオイですが、コンプレッサーが動いている間は冷風のためニオイは気になりませんが、コンプレッサーが止まると温い風になるのでニオイを感じてしまう。シーズンOFFとシーズンONの前にはカーエアコンの消臭剤を使ってクリーンにしておきたいものです。
あと、ダッシュボードがフロントガラスに映り込むのが気になりました。
夜間に街灯の光が真上に来るたび、ガラスに映りこみます。すごい嫌。ダッシュボード上に何かしらのマットをひきたい気分。
燃費について
さて、気になる燃費です。
次のクルマの納車までこの代車ステラを借りたわけですが、借りた直後の航続可能距離は334kmでした。
ちなみに、「満タンで返却願います」というポップが後席に貼っていました。覚えておいてください(笑)
で、航続可能距離が35kmまで減りました。
燃費計の平均燃費値は、19.4km/Lを示しています。
ちなみに燃費計の燃費は「実燃費(じつねんぴ)」ではありません。
詳しくはこちら(別ウィンドウで開きます) → 実燃費とは?
走行した距離は、447.3kmでした。
エコモードはONにして走行。加えて、最高速度は60~70km/hに抑えて、信号待ちからのアクセルのベタ踏みダッシュなどもしていません。エコ運転を心掛けました。
総走行距離は、68,237km で、新車時のときよりも各部劣化で燃費は少なからず落ちている時期です。
さて、給油です。
レギュラーガソリン。
ちなみに、2代目ステラの給油口は狭くてノズルが奥まで入りません。こんなのあるんですねぇ。知らなかった。
で、25L入りました。満タンです。
ちなみに、満タン状態の航続可能距離は506kmです。
あれ?
借りたときに確認したら、334km・・・
おい、中古屋!!満タンじゃねーじゃねーか!!
で、「満タンで返却願います」だと?こうやって店は信用を落としていくのですね。
実燃費の計算方法
実燃費の測り方は以下の通りです。簡単ですよ。
- ガソリンを満タンにする。
- トリップメーター(距離メーター)をゼロにする。
- ガソリン残量が少なくなるまで走行する
- ガソリンを満タンにする。
- 走行距離を給油量で割る。
で、今回は元が満タンじゃなかったことが判明いたしました・・・。
とりあえず「満タン」だったと「仮定」しましょう・・・。
447.3km ÷ 25リットル = 実燃費 17.8km/L
元も満タンならここで終了。
でも、元が満タンではなかったので話が続きます。
1リットルで17km走るとして、
航続可能距離:はじめ 334km
航続可能距離:満タン直後 506km
その差、172km分のガソリンが消費されていたので、
消費されていたガソリンは
172km ÷ 17km = 10リットル と導き出されました。
よって、25L - 10L = 15L の状態で、447.3kmを走行したことになります。
447.3km ÷ 15L = 29.8km/L って、ホントかいな(笑)
まぁ、少なくとも
2代目ステラ(5代目ムーヴ)のNAのFFは、
最高速度は標識通り、スタートダッシュをしない大人しい走行をすれば、
20km/Lを確実に超える低燃費性能を持っていると言えますね。
この時点で私が乗っていたソニカRS-Limited ターボ FF よりも燃費性能が高いです。(ソニカFFだと街乗りで 15km/Lくらいですから。高速を80km/h巡行したら20km/Lくらいなんですけど。)
後日、
航続可能距離が、334kmになるまで走行。
とりあえず336kmになるまで走行してガソリンスタンドへ。
ここまで走行した距離が、139.4kmでした。
で、再びガソリン給油で満タンにします。
8リットル入りました。
満タン直後の航続可能距離は、前回満タン給油した時と同じ506kmを示しています。
139.4kmを、8リットルで走行したことになります。
ということで、前回の数値から今回の数値を引きます。
前回の447.3kmは「航続可能距離334km時点のガソリン残量で走行した距離」ですので、
満タン状態の506kmから334kmまで下がるのに消費したガソリン量がわかりませんでした。
それが今回のテストで8リットルと判明しました。
よって、計算式は以下の通りです。
447.3km ÷ ( 25リットル - 8リットル )
↓
447.3km ÷ 17リットル = 実燃費 26.3km/L
2代目ステラのFFモデル(5代目ムーヴのFFモデル)の実燃費は驚愕の26.3km/Lとうことが判明。
20km/Lを超えれば御の字ですから本当にすごいです。
つまり、ダイハツとスバルOEM車であれば、
2010年以降のCVT車ならどれ乗っても実燃費20km/Lオーバーをたたき出すと思われます。
※走行時の環境。
計測場所:札幌北区
高速道路:なし
速度:ほぼ速度標識と同じ。
渋滞:いっさい無し
信号待ち:少ない
計測期間:4/25~5/28
気温:12度~27度。
エアコン使用の有無:エアコン付けたり、ヒーター付けたり半々。(よって日中23度を超える東京だと車内は熱々で常時エアコン。東京よりも西側の地域では今回の26.3km/Lよりも3km/Lほど落ちるかと思います。それでも(予)23km/Lくらい。6代目ムーヴならどれくらい実燃費が良いのだろう?ミラトコットとかも気になります。)
ただ、やはり変速的な燃費の計算です。もうじき次のクルマが納車されるのでステラの次の燃費計算は、ガソリンを使い切った状態ではなく、ある程度残った状態からの計測になるかと。
それと、みんカラなどの燃費を見ると同型式の燃費はだいたい14~26km/Lであり、26km/Lは極少数派・・・。間に合うのであればガソリン使い切った状態で実燃費をちゃんと計測したいものです。だいたい、F1であれば超正確にガソリンタンク内の残量を確認できるワケですが、軽自動車でそんな正確で高価な残量センサーを付けれるワケが無いし・・・。
YAMAHAのマジェスティ125の前期モデルのように、メーターは時速100km/hだけど実速が80km/hとか。ステラ・ムーヴの継続可能距離メーターは適当なのかもしれません・・・。
最後にもう一回、実燃費を調べる。
代車を返却する前にもう一度実燃費を調べます。
とりあえず、満タンにしてから341.2km走行しました。
メーターの平均燃費計は、20.7km/Lを示しています。
(その状態での航続可能距離は177km)
で、スタンドで満タンまで給油します。
満タンにしました。(航続可能距離は518km)
給油量は、16.64ℓでした。
数値が出そろったので計算式は以下の通り。
341.2km÷16.61ℓ=実燃費 20.5km/ℓ
思いのほか、メーターの平均燃費計と近い数値が出ています。
また、今回の走行は制限速度通りに走行、エアコンON、アイドリングストップONで一般道のみ走行です。
おなじ条件では、FFの2WD2007年式のソニカなら14~15km/Lなので、技術の進歩は目覚ましいというところでしょうか。
2012年式のステラ(5代目ムーヴ)なかなか燃費が良いですね。
番外編。
スモールランプをつけっぱなしにしていたため、バッテリーが上がっていました・・・。
カシムラのモバイルバッテリージャンプを試してみました。
ステラのバッテリーにつなぎます。
赤をつないでから、黒をつなぎます。
で、この状態でエンジンを掛けます。
一発で始動しました。使えます。オススメです。
2代目ステラのまとめ
¥ 7,800
色は、ブラックのみ
今回私がバッテリージャンプに使用したモバイルバッテリーです。普通にスマホの充電も可能ですが、充電ケーブル・赤黒クリップケーブル・専用ケースが付属します。