2021年6月2日、天気は晴天。
友人はランドローバー乗りなのですが、現在乗っているディスカバリーを点検に出したところ、代車がなんとジャガーのEVであるI-PACE(アイペイス)でした。
大変珍しいクルマであったため試乗させていただくと、飛行機の離陸を彷彿とさせる強烈なGをクルマで体験!
では、I-PACEの試乗レビューとその感想をご覧くださいませ。
目次でございます。
ジャガーという自動車メーカーについて
私自身、フォルクスワーゲンのゴルフ6( 2009年 )がデビューしたとき、友人の付き添いで試乗してカルチャーショックを体験してから外車に興味がわきました。
※ 日本のコンパクトカー、ヴィッツ・フィット・ノートのなんとペラペラなことか。
そのゴルフも2021年にゴルフ8になりましたねぇ。ポロの1,000cc 3気筒エンジンは「うーん」という感想ですが、はたしてゴルフ8の1,000cc3気筒はどうなのか。いささか気になりますが買うなら直4の1,500ccか。
ゴルフ6に試乗したときの衝撃 ← 記事です。
ポロの1,000ccターボに試乗 ← 記事です。
その後、メルセデスベンツ・BMW・フィアット・ランドローバーなどいろいろ試乗してきましたが、
ジャガーについてはサッパリです。分かりません。
よって、簡単に調べました。
ジャガーの歴史
| 西暦 | できごと |
|---|---|
| 1922年 | イギリスで、スワロー・サイドカー・カンパニーとして誕生 |
| 1933年 | SSカーズへと社名を変更( この年にトヨタ誕生 ) |
| 1935年 | ジャガーという名前のクルマを発表 |
| 1939年 | 第二次世界大戦 |
| 1945年 | 終戦。かつてドイツは敵国。ドイツの一部兵隊の略称「SS」であったため、社名を「ジャガー・カーズ」へ変更。ブランド名を「ジャガー」とした。 |
| 1946年 | ( ホンダ誕生 ) |
| 1960年 | イギリスのデイムラーを買収。 |
| 1966年 | イギリスのBMCブリティッシュモーターコーポレーションと合併。BMHブリティッシュモーターホールディングスとなる。 |
| 1968年 | イギリスのLMCレイランドモーターカンパニーと統合。BLMCブリティッシュレイランドモーターコーポレーションとなる |
| 1975年 | オイルショックなどで大打撃。国営化されてしまいBLブリティッシュレイランドとなる。→ |
| 1975年 | → 保有ブランド部門は、ジャガー・ローバー・ランドローバー・デイムラー・トライアンフ・オースティン・モーリス |
| 1984年 | ジャガー部門が再び民営化。( 日本企業並みの品質管理など大幅な業務改革で復活 ) |
| 1988年 | ル・マン24時間レースに優勝 |
| 1989年 | アメリカのフォードに、ジャガーが買収される |
| 2000年 | ジャガーレーシング名でF1に参戦 |
| 2008年 | フォードは、ジャガーとランドローバーをインドのタタ・モーターズへ売却された |
要約すると、イギリスで誕生した自動車メーカーが「ジャガー」という名前のクルマを作り、後にメーカー名になりました。
ジャガーはその後、アメリカのフォード資本で運営、現在はインドのタタ・モーターズの資本で運営しています。ランドローバーもタタですからインドの急成長はすごいですねぇ。( ただしインドは女性の一人歩きは危険です )
私の知識では、ジャガーとは丸目4灯の渋い4ドアセダンのイメージしか持ち合わせていなかったのですが、ルパンが乗ってそうなケータハムっぽいスポーツオープンカーがヒットしていたこともあり「スポーツカー」が作れるメーカーでした。そういえばF1にも確かに参戦していた記憶が。
I-PACE (アイペイス) のスペックについて
で、やってきたI-PACEちゃん。
2018年の札幌モーターショーで、ジャガーのSUVがE-PACEだったかF-PACEだったので、てっきり「 SUV 」かと思っていたらなんと意外や意外のハッチバック。
車高の低さにビックリ。さらにフォード・マスタングにありそうなストライプ柄に2度ビックリ。
一応、ランドローバーの各車と比較してみましょう。( 和え物はダイハツ・ソニカ ACC付き )
↓
ディスカバリー3を試乗したとき。

レンジローバー・イヴォークを試乗したとき。

レンジローバー・ヴェラールを試乗したとき。

I-PACE ( アイペイス ) のスペック
I-PACEのグレードは3種類で、今回試乗したのは最上級グレードのHSEになります。装備は異なりますが動力スペックは全て同じです。
- 9,760,000円 S 18インチ
- 10,830,000円 SE 20インチ
- 11,830,000円 HSE 20インチ

以下、アイペイス・スバルWRX・日産リーフ・ホンダeのスペックを比較しています。
加速性能はWRXとほぼ同じですがサーキットや峠では重量級の車重が玉にキズ。その代わりEVとしてはリーフの62kWhモデルの燃費(電費)とほぼ一緒。カタログでは438kmなので実質は300kmは確実に走ってくれるかな、と。
ただし、価格はリーフの2倍以上・・・。
EVのスポーツカーが欲しいのであれば現状だとテスラのモデルS?( 0-100:2.1秒 )と思いましたが車重がヘビー過ぎる1,900kg。
どうやら、EVで加速性能と運動性能の両取りは難しそう。
| グレード | I-PACE S | WRX STI | リーフS | リーフe+x | HONDA e |
|---|---|---|---|---|---|
| 価格 | 9,760,000 | 3,938,000 | 3,326,400 | 4,417,600 | 4,510,000 |
| 全長 | 4m69cm | 4m59cm | 4m48cm | 4m48cm | 3m89cm |
| 高さ | 1m56cm | 1m47cm | 1m56cm | 1m56cm | 1m51cm |
| 幅 | 1m89cm | 1m79cm | 1m79cm | 1m79cm | 1m75cm |
| ホイールベース | 2m99cm | 2m65cm | 2m70cm | 2m70cm | 2m53cm |
| 馬力 | 400馬力 | 308馬力 | 150馬力 | 218馬力 | 136馬力 |
| トルク | 696Nm | 422Nm | 320Nm | 340Nm | 315Nm |
| 駆動 | AWD | AWD | FF | FF | FF |
| バッテリー | 90kWh | - | 40kWh | 62kWh | 60kWh |
| WLTC | 438km | 9.4km JC08 | 322km | 458km | 283km |
| 重量 | 2,230kg | 1,490kg | 1,490kg | 1,670kg | 1,510kg |
| TW | 32 | 35 | 46 | 49 | 47 |
I-PACE( アイペイス )の動画
とりあえずI-PACEの、
- 液晶メーターパネルの動き
- エアサスの動き
- ACC走行と自動停止のタイミング
の動画をご覧ください。
I-PACE ( アイペイス )のエクステリアについて
では、いつもの公園の駐車場でアイペイスのエクステリアから見ていきましょう。
視覚的にボリュームがあるためアングルによっては大型SUVに見えちゃう。( 実際に横幅は約190cmありますけどね )

で、このアングルだと、「 あれ?車高低いの? 」と感じるはず。日産リーフと同じ高さですから。

アメリカンなスポーツカーのように、フロントタイヤのタイヤハウスの延長線上にボンネットがボコっと飛び出ているデザイン。スポーティーで良いですね。

I-PACEのフロントマスク。ヘッドライトの上部先端までボンネットではないのが今の自動車デザインの流行りらしい。

ヨーヨーみたいなジャガーエンブレム。

通常、エンジン車であればグリルの裏にはラジエーターが配置されているのですがEVのI-PACEの場合はアミアミはダミー。

昔のターボ車のボンネットにはエアインテークの穴が開いていました。インタークーラーを冷やすために走行風を当てるヤツですね。
しかしI-PACEの場合、穴の向きが逆です。これだと走行風をボンネット内に取り込めませんし、そもそもインタークラーなんてI-PACEにはありません。

ボンネットのさらに先端を見てみますと穴が開いて貫通しています。おそらく「空力」であるダウンフォースを得て高速道路の走行中に車体を安定させるための機構かと思われます。

空力説を裏付けるように、フロントバンパーのヘッドライト下にも整流目的の穴が開いています。

この通り、貫通しています。

I-PACEのヘッドライトは、ハロゲンでもHIDでもなくLEDです。

さらにI-PACEの最上級グレードHSEでは、マトリクスLEDヘッドライトと呼ばれるヘッドライトになりまして、

自動的にハイビーム・ロービームをコントロールするタイプのヘッドライト。対向車が眩しいと感じることもありません。( ただ個人的には本当か?と疑ってマス )

フロントバンパー最下層にはデイライト( フォグライトかしら? )

I-PACEを横から撮影。( 撮影しているときに横に営業車がワザとか?というくらいに停めやがったため少し斜めでの撮影に。フロントタイヤとリアタイヤのサイズが違って見える )
ちなみにドアハンドルは収納式です。生えてきます。
日本車の一部のミニSUVやスズキのスイフトなどではリアドアのドアハンドルが角っこに隠すよう上部に設置していますが、あれは本当に扱いづらくて嫌いです。デザイナーのオ〇ニー以外の何者でもないと思ってます。

リアドアの形状。ここでもう一度上の写真を見ると、キャビンの屋根が前方にズレているようなデザインであることに気が付づました。

フロントタイヤ上には給電コネクターが隠れています。

グレードのエンブレム。HSE

ちなみにフロントタイヤと、

リアタイヤのサイズは、

245/50R20 です。タイヤの厚みは12.2cm
純正では18インチとオプションで22インチのタイヤもあります。

タイヤの銘柄は、グッドイヤーのEAGLE F1 Asymmetric 3 でした。欧州産のプレミアムスポーツタイヤ(イーグル エフワン アシメトリックスリー)

I-PACEの足回りは、電動制御のエアサスペンションです。こちらはフロント側。

リア側のサスペンション。

よく見ると、LAND ROVER JAGUAR という刻印が入っています。

エアサスでは下の画像くらいの高低差が生まれます。リアが上がってからフロントがせり上がって、降ろす時は前後同時に車高が落ちます。

I-PACEのサイドミラー。サイドウィンカーランプ付き。

車体に取り付けられた360℃センサーを使って、ドライバーの死角にクルマがいる場合はミラーの角が点滅して警告してくれます。2010年くらいから流行り出したセーフティー機能( ブラインドスポットアシスト )。

ドライバーアシストパック車では、全車速追従型アダプティブクルーズコントロールやレーンキープアシストなどをはじめ、様々なセンサーでドライバーの運転を補助してくれます。
サイドミラー下にはカメラが搭載されていますが、日産で言うところのアラウンドビューモニター機能です。

先ほど話した収納式のドアハンドルです。実にスマートですし、いたずら防止にも効果的。もちろん空力にも。風切り音低減にも役立っています。

リア、テールデザインを見てみましょう。

セダンのような独立トランクではなく窓部分ごとガパっと開くためドア扱い。つまりハッチバック車。

傾斜がキツイこと。その分荷室が狭くなっちゃう。よく見るとリアワイパーがありません。( 全然関係ありませんが、4ドアセダンでリアガラスを傾斜させて2ドアクーペ風に見せるデザインは後部座席の天井が低くなるので個人的には嫌いです。 )

テールゲートスポイラーで空気を下に押し流して車体を安定させると共に、リアガラスの雨も弾き飛ばすのでしょう。

電動システムの名称が、EV400。 AWD(オールホイールドライブ)=4WD

よく見ると躍動感のある立体的なジャガーのエンブレム。( ネコ科ヒョウ属 )

I-PACEのテールランプ。内側を尖らせるのが流行なのかしら。

空力のための、リアアンダーパネル( リアディフューザーと言った方が正しい? )

シャークアンテナ( ドルフィンアンテナ )

I-PACEには、カメラ、レーダー、超音波センサーが備わっています。

カメラとセンサーのアップ。

フロントガラスの隅っこには車体番号が。

フロントワイパー。運転席から見ると、

この通り。少し取り付け部が視界の邪魔をしています。( 実際の走行ではさほど気になりませんでした )

給電コネクタの形状を見てみましょう。左右にそれぞれあります。

まず運転席側。フタを押し込むことで簡単に開きます。

コネクタ形状は、一般家庭での充電口200Vになります。( 下部で登場しますが ボンネット下に200V用充電コードが収まっています。)
0% → 80% まで13時間と少々長い。( ただし、継ぎ足し充電が基本なのでさほど気になさらずに。 )

今度は助手席側のフタを開けてみましょう。

チャデモ式の急速充電コネクタ。充電時間は90分
0% ~ 80% は 40分で行けるらしい。さらには100kmの距離を走行するだけなら15分でOK。

100%までチャージした場合、実燃費で300kmは確実に走れるみたい。
ちなみに急速充電をする場合は、ディーラー、もしくはイオンやコンビニ、高速道路サービスエリア等に備付けられている「 急速充電設備 」を利用することになりますが、事前にカードを作らなければなりません。
日産自動車ではどこのメーカーのEVに乗っていてもカードが作れます。お近くの日産ディーラーに相談するのが一番速いです。
また日産以外だと、そのディーラーのEVに乗っていなければカードを作れません。もちろんI-PACEの場合はジャガーディーラーで作れます。

I-PACE ( アイペイス ) のエンジンルーム
アイペイスのボンネット下には何が収まっているのでしょうか?
少なくともエンジンではありません。

ガパっとボンネットを開けると、

200V充電用のコードが入っていました。

20AのAC250V 防雨型と記載されています。

ボンネットダンパーは便利で良いですよね。

エアコンの冷媒についての注意事項。

I-PACEのヘッドライトの部品型番。RH X590 HIGH LT J9D3-13W029-GA

ウォッシャータンクのキャップ。

エンジンルーム隅っこを除くと、ABSユニットかしら?

I-PACE( アイペイス )の荷室の広さについて
アイペイスのトランクルーム(トランクではないので荷室(ラゲッジスペース))を見てみましょう。

ちなみに運転席のボタンを押すとロック解除。
ハッチバックドアについているボタンを押すと自動的に閉まります。( パワーテールゲート )

ちなみにトップは2m10cmくらいの高さになります。天井低いところでハッチを開ける場合は気を付けてください。

こう見ると、「 広い荷室だなぁ 」と思うのですが、

172cmの男性が入るとこのとおり。ガラスの傾斜がデザイン優先でキツイためこのまま閉めると頭がぶつかりますし背中も押されます。むぎゅ~。

ガラスの傾斜をキツくしているのに、デザインを大きく見せようとするとこんなにもムダなスペースが。
( いや、デザインを優先しているのでムダではないのですが・・・。しわ寄せ?なんだかなぁと思います )

荷室にはコンビニフックの他、12VのACソケットが付いていました。

このとおり。

床下をめくると、

パンク修理キットと、けん引フック。スペアタイヤはありません。

さらにその下にはナゾの白い緩衝材と謎のボックスが。

コチラがパワーテールゲートのボタン。

押すことで自動的に閉じてくれます。

エアサス、一番低い時。

エアサス、一番高い時。

I-PACE( アイペイス )のインテリアについて
ではアイペイスのインテリアを見ていきましょう。
まずはフロントシート。
革製で腰の収まりも心地良いシートでした。

ヘッドレストにはジャガーのマークが。

背中、座面にはパンチング加工。送風機能付き。

夏の日差しでアツアツになったシートも送風機能ですぐに冷まされます。で、蒸れも抑制してくれるスグレモノ。

運転席はこのような感じ。

パワーシートは当たり前ですね。

172cmの男性が乗り込んだ図。正しいドライビングポジションを取るためには8wayや10wayのパワーシートが必須です。( 個人的にはメルセデスのようにドアノブ横に操作パネルが付いていた方が分かりやすくて親切だなと思います。)

後部座席を見てみましょう。

フロントシート同様にパンチング加工です。

ドライビングポジションに合わせた状態で後部座席に座ってみました。

ガラスの傾斜がキツイと後部座席に座る人にモロにしわ寄せが来ます。プリウスが良い例です。( いや、悪い例ですな )
I-PACEの場合は、げんこつ一個ギリマイナスくらい。写真では大丈夫そうに見えるんですけど、プリウスよりはマシレベル。身長180cm以上の人だと荒れた路面で突き上げした場合は天井に頭が当たるでしょうね。( だから後席頭上の空間を殺すクーペ風のデザインは嫌いなのです )

足元はとても広くて快適でした。足もフロントシート下にキチンと収まりますし。これはGoodでした。

フロントドア。

スカッフプレート

Bピラー下には、適切な空気圧の記載がありました。
空気圧は前後250kPaでOKですが、大人でフル乗車した場合はリアタイヤだけ300kPaに空気圧を高めた方が良いとのこと。

ドアトリムは厚みがあるデザインで高級感がありますねぇ。

この位置にパワーシートのメモリーボタンがあります。

その横にはイギリスの老舗オーディオメーカーのメリディアン製のスピーカーが。( 良い音でした )

トリム下にはミッドスピーカー。

パワーウィンドウスイッチ。

トリムの表皮にも注目。

刻印状のデザインで触った質感も良し。

リアドアも見てみます。

アンダー部分と一体型のドアのため、

乗降の際にズボンの裾が汚れを最小限に防げます。

I-PACE(アイペイス)のダッシュボードについて
運転席回り、ダッシュボードを見てみましょう。

凄いシンプルで好きです。( のちほど前言撤回します )

スピードメーターがフル液晶。常識に成りつつあります。

で、エンジンを掛ける前の状態がコチラ。航続可能距離と残バッテリー表示。

ステアリング右側スイッチ類。
ACC・レーンキープアシスト・自動緊急ブレーキは標準装備になります。

ステアリング左側スイッチ類。
ハンズフリー通話や、ディスプレイの操作ボタン。

ハンドル右下にも各種ボタン。
電子パーキングスイッチ、ボンネットオープン、メーター光度ダイヤル、リアハッチロック解除ボタン。

ステアリングチルト&テレスコピック機能調節レバー

アクセルペダルはオルガン式ではありません。

センターパネルに収まっている液晶パネル。
上:カーナビやオーディオ調節、フロントカメラ( 360℃ )、各種設定
下:エアコン設定等

360°サラウンドカメラを見てみましょう。

ドライバー視点からみたフロントの風景

右側の風景

左側の風景

上空視点ビュー

上空ビュー+フロントカメラ

車体左側面ビュー+フロント左右ビュー

上空ビューのリア側アップ

カメラビューの設定画面

カメラビューの設定画面2

カメラビューの設定画面3

運転席からの後方視界は、悪いです。

バックカメラは必須。

広角レンズによりさらに後方が確認しやすい。

パークアシスト機能も備えています。検索で見つかった場合指示に従いギアを選択するだけで駐車可能。ステアリングは自動制御。

次は下のエアコン等調節パネルを見てみましょう。

物理ボタンを少なくして、タッチパネル操作に切り替えると、

直観的な操作ができなくなります。
やりたい操作のページがどこにあるのか。階層が深い。

少なくとも、エアコンの送風口の各ボタン、風量のボタン、シートヒーターボタンは物理ボタンにすべき。( タッチパネルボタンはダメ )
なんでもかんでも合理化のコストカットではユーザビリティーの低下に繋がる悪い例です。その点メルセデスやBMWは分かっていらっしゃる。

ボタン一つの後席前席オールエアコンディショナーも良いですが、ボタン一つで解決しない場合もあるんですよね。

走行モードを変更できるボタンなど。

走行モード変更ボタン

エアサスペンションによる車高調節ボタン

ドライブシフト、ニュートラル、リバースシフトボタン。

パーキングボタン。

I-PACE(アイペイス)のユーティリティ
フロントのアームレスト前方にはドリンクホルダー。スマホをタテて置けることが可能な溝も。

アームレスト上部を開けると、

USB3.1ポート、HDMIポート、12VのACソケット、そしてさらにMicro Simまで入れることが可能に。

エアコンの送風口

後部座席のエアコン操作パネル。

こちらにはいくつか物理ボタンが配置されています。

USBポートとACソケット。

フロントシートの裏側にも、

USBポート、

そしてナゾの穴。

後部座席のドリンクホルダーは、

こちらに。

収納付き。

リアシートを畳むことで荷室を拡大させることも可能です。

I-PACEに実際に乗って走行してみた感想(自動運転編)
ではアイペイスで実際に走行してみます。
ACCを使って走行。
レーンキープアシストも併用します。

ちなみにハンドルから手を離すと怒られます。
「 ハンドルから手を離さないでください 」

ヘッドアップディスプレイでフロントガラスに投影されるデータは、クルコンONマーク、標識認識マーク、現在の走行速度

ヘッドアップディスプレイの速度表示は「 1km/h毎 」で表示されます。

時速3km/h


自動に停止します。

停止から再発進する場合は、チョンとアクセルを踏むことで追従を再度開始します。

ちなみにレーンキープアシストは、高速道路にあるような緩いカーブには対応しますが、街中のRのきついカーブなどではほぼ機能しない(曲がれない)ので注意しましょう。
ACCは危なげな感じは特に無く、優秀だなぁと思います。
I-PACEに実際に乗って走行してみた感想(加速編)
では、約 700 Nmのフル加速についてのレビューです。

日本のスポーツカーとの比較( 旧型 )
旧型ジャパンスポーツカーで体験したことがあるのはNSX。5MTだと280馬力ですがアクセス札幌の試乗会で乗ったのは4ATのNSXでした。時速80km/hまでのフル加速はとても気持ちが良かったのを覚えています。
| 発売年 | 2018年 | 1989年 | 1989年 | 1990年 | 1992年 | 1992年 | 1997年 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| メーカー | ジャガー | 日産 | トヨタ | ホンダ | スバル | 三菱 | マツダ |
| 車名 | I-PACE | 32GT-R | スープラ | NSX | インプレッサWRX | ランサーエボリューション | RX-7 |
| 変速機構 | モーター | 5MT | 5MT | 4AT | 5MT | 5MT | 5MT |
| 駆動方式 | AWD | AWD | FR | MR | AWD | AWD | FR |
| 馬力 | 400馬力 | 280馬力 | 240馬力 | 265馬力 | 240馬力 | 250馬力 | 265馬力 |
| トルク | 696Nm | 353Nm | 343Nm | 294Nm | 304Nm | 308Nm | 294Nm |
| 重量 | 2,230kg | 1430kg | 1560kg | 1,390kg | 1220kg | 1170kg | 1280kg |
| TW | 32 | 40 | 45 | 47 | 40 | 37 | 43 |
日本のスポーツカーとの比較( 新型 )
新型で体験したことのあるクルマはソニカは当然ですが、スズキの スイフトスポーツ くらいしか。
身の丈にあった性能でフル加速で軽くシートに押し付けられる感覚を味わえます。これまた心地よかったです。加速性能的にはポロブルーGTと迷っちゃう。( 実際トータルではポロブルーGTですし、加速性能ならポロGTIがすごかった )
| 発売年 | 2018年 | 2006年 | 2007年 | 2008年 | 2014年 | 2014年 | 2017年 | 2017年 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| メーカー | ジャガー | ダイハツ | 日産 | 三菱 | スバル | トヨタ | ホンダ | スズキ |
| 車名 | I-PACE | ソニカ | GT-R | ランサーエボリューション10 | WRX | RCF | NSX | スイフトスポーツ |
| 変速機構 | モーター | CVT | 6AT | 5MT | 6MT | 8AT | 9AT | 6AT |
| 駆動方式 | AWD | FF | AWD | AWD | AWD | FR | AWD | FF |
| 馬力 | 400馬力 | 64馬力 | 480馬力 | 300馬力 | 308馬力 | 477馬力 | 507馬力 | 140馬力 |
| トルク | 696Nm | 103Nm | 588Nm | 422Nm | 422Nm | 530Nm | 550Nm | 230Nm |
| 重量 | 2,230kg | 870kg | 1,740kg | 1420kg | 1480kg | 1790kg | 1,780kg | 990kg |
| TW | 32 | 84 | 29 | 33 | 35 | 33 | 32 | 43 |
I-PACEのフル加速の感想は、
「 飛行機の離陸時の感覚 」を味わえる自動車であり、たった100Mの直線でも翼を付ければ揚力で簡単に飛べるんじゃないのか?というレベルです。市販車の加速がここまで到達したのか、と。
2トンを超える重量なのにエンジンでは構造上実現できないモーターによるゼロ距離MAXトルクで暴力的に生まれる加速力。
猛々しくもヒステリックに感じるエンジン音は皆無。体感3秒で時速100km/hにすぐ到達( 実際は4.8秒らしい )
車重が車重なのでサーキットでタイムを削れる生粋のスポーツカーではないため、エンジン車であるBMWのM5やポルシェターボなどよりも100Mタイムは遅いです。
しかし、走り出し初めのトルクだけに関して言えばエンジンよりもモータートルクの威力はすさまじい。その証拠に体験したことの無い感覚がありました。フル加速中に頭が「ボー」っとするのです。ちょっと怖かった。
戦闘機などで無理に旋回し続けると眼球の血液が偏ってしまって視界が真っ暗になるブラックアウトなる危険な現象が発生するらしいですが、恐らくその類なのではと思います。NSXのフル加速でも頭が「ボー」とすることなんてなかったですから。
強烈過ぎるトルクは人体に影響を与える、と私は思います。
そんなワケでI-PACEのフル加速を安全に「 なが~くフルスロットル 」で使える場所は、周りに民家が無く、脇道もない直線道路のみ。コーナーも楽しみたいならサーキットに行くしかありません。そのくらいパワーを持て余します。
トルクフル過ぎるモータートルクが2トンを指先1つで軽々押している感じで一般道で「重さ」を感じることは一切ありませんでした。アクセルワークは大変楽ちんです。ただし普段からACCと360℃センサーを多用しているユーザーであれば、太いトルクによるアクセルワークのしやすさという恩恵は受けづらいかも、と考えちゃう。
FFでもなくFRでもない、駆動方式にAWDを選ぶ理由は明確で4輪に分配しなければ駆動力を持て余してしまう、というよりむしろ4本のタイヤで路面を捉えないと暴れ出す「 危険性 」があるからかと。トラクションコントロールは最早当たり前ですが、もしI-PACEのビッグパワー&ビッグトルクでFRだったら?雨の日には正直乗りたくないですね。( 急激な出力を抑えるエコモードがあるから実際には乗れますが、走行モードが無いビッグパワー車は恐ろしい。 )
高速道路の合流地点でのフル加速もちょっと考え物です。通常なら80km/hで左側から合流しようとしているのが見えたのなら、後ろにクルマがいなければ速度を軽く落として合流しやすくしてあげることも可能ですが、合流地点でちょい加速ではなく何も考えずフル加速した場合、恐らく側面衝突するかと。
そんなことを考えると、一般道と高速での追い越しで「ちょっと踏む」くらいしかできません。普段から標識の制限速度をきちんと守って走る私からすると明らかにオーバースペック。
加速感については以上で、次は乗り心地について。
ゆったり感・落ち着き感・コーナーを曲がった際のロール感、マンホールを通過したときの乗り心地などを考慮した場合、同じ金額なら私だったらメルセデスのGLEもしくはレンジローバー・ヴェラールかしら、もしくはBMWのX4辺り。
クルマである以上大前提である「挙動を破綻させない走り」は当たり前。しかし今までのエンジンカーでは到達しなかった爆発的な加速力を制御するためには「コンフォート性」を最大限に考えたとしても得てして「こういう性格・乗り心地」になってしまうのだな、と。
不快な突き上げ感は一切ありませんが、それでも多少は乗り心地は硬めなのです。そりゃモータートルクによる加速力を楽しむ人達を想定すると硬くなるのは当たり前。
ただし、レンジローバー イヴォークよりも乗り心地は良いのでご安心を。
エアサスについて。エアサスをまともに体感したのはポルシェ・カイエンターボを試乗した時です。
コンフォート・ノーマル・スポーツーと3つボタンがあり、コンフォートはしっとり柔らかい乗り味で快適そのものになり、スポーツにすると高速道路で走行しても「揺れ」が無くなり大変安全に走りやすくなりました。
で、I-PACEのセンターパネルには「車高を上げるボタン」「車高を下げるボタン」しかありません。私はてっきり「車高が高いと乗り味がソフト」「車高が低いと乗り味が硬くなる」と思っていましたが、某サイトのエアサス情報を見てみたところ「車高が低いと空気圧が低いのでソフト」「車高が高いと空気圧が高くなるので乗り心地はハード」とありました。
うーむ、ということは車高高めで走ったから乗り心地が硬かったのかもしれません。
また、メルセデスでは走行モードを変更するとエンジン出力だけではなく電子制御サスペンションの減衰力が各走行モードに合わせて一緒に変わります。
I-PACEでは、雨氷雪モード・エコモード・コンフォートモード・ダイナミックモードの4種類が選べるのですが、サスペンション設定まで変更されるかについてはチェックをしておりませんでした。

BMW大試乗会に参加してきました ← 記事です。
あと、アウトランダーPHEVと比較しますと、アウトランダーは前後の重量バランスが悪いです。厳密に言うと例えば前方が赤信号でブレーキを踏んで止まろうとすると前側につんのめる感じがして、逆に青信号になりアクセルを開けると後ろ側にのけぞるような感覚になります。フラフラするんですよね。
その点、I-PACEだとそんなこともなく普通に走行することが可能です。
















































































