自動遠心クラッチを使っていれば全てギアチェンジの操作が必要ないオートマチックかと思っていました。
改めて考えてみるとスーパーカブだってスクーターと同じ遠心クラッチなのにどうしてシフトペダルが存在しているのか?自分でギアチェンジをしなければならないのか?
ATバイクであるかどうかは、遠心クラッチであるかどうかは全く関係なく、変速をギアで行っているのか、Vベルトとプーリーで行っているのかで判断します。(*^^*)
目次でございます。
自動遠心クラッチの目次
スクーターと原付は違う
以外とゴチャゴチャに理解されている方が多いので、改めてスクーターと原付に関して説明しておきます。
原付とは?
原付とは原付免許で運転できる50cc~125ccバイクのこと。
正しくは原動機付自転車免許。自動二輪車ではなくて 「 じてんしゃ 」の範囲に含まれます。 エンジンの排気量が50cc~125ccまでのバイクを乗ることが許可されています。ちなみに50ccを超える場合は、原付二種と呼ばれます。
スクーターとは?
これが間違っている人がいます。原付・原チャリ・50ccバイク のことではありません。
ホンダの規定によれば、以下を満たすとスクーターと定義しています。
1.エンジンは座席の下
2.足は前方に置く
自転車のようにしっかりまたがって座るのではなく、ちょこんと座るタイプのことをスクーターと呼び、小さい50cc~125cc、大きい650ccといったエンジンの排気量は関係なく、さらにオートマ/マニュアルも関係ないのです。
現在、BMWの C evolution ( シーエボリューション ) や、台湾で電動バイクが流行っております。エンジンではなくモーターですが、ちょこんと座るタイプなのでこれもやっぱりスクーター ( 電動スクーター ) ですね。
ちなみにバイクという言葉は二輪すべてに該当します。排気量関係なく、形状関係なく二輪でエンジンまたはモーターが付いていればバイクです。3輪の場合でもバイクと呼びますが、主にトライクという呼び名に変わります。
自動遠心式クラッチとは?
自動車と同じようにバイクにもマニュアル・トランスミッションと、オートマチック・トランスミッション ( オートマ ) の2通りのギアがあります。
マニュアルミッションとは?
変速するために、運転者がクラッチを操作して、ギア・チェンジ操作を必要とする変速機のこと。
変速の方法
クラッチレバーを握る。
↓
クラッチが切れてギア・チェンジできる状態になる。
↓
シフトペダルでギア・チェンジする
↓
クラッチレバーを離して、ギアが繋がる。
自動遠心式クラッチ
遠心力を利用することで自動でクラッチを切ったり繋いだりすることができる機構のクラッチのこと。「 遠心式クラッチ 」と呼びますが、自動でクラッチ操作してくれるので 「 自動遠心式クラッチ 」 という呼ばれ方もします。
勝手にクラッチが動いてくれるため、この機構のバイクにはクラッチレバーは存在しません。
ただし、
自動遠心クラッチの 「 自動 」 とはクラッチ操作が自動ということであって、ギア操作まで自動ということではありません。
ギアチェンジは、自分でシフトペダルを操作して選ばなければなりません。自動遠心式クラッチだからといって、全て自動のオートマチックというわけではないのです。
ホンダのカブ、スーパーカブやリトルカブ、ゴリラ、モンキー、カワサキのKSR110などがコレに該当します。クラッチ操作はありませんが、シフトチェンジペダルでギアチェンジ操作をしなければなりません。
ちなみにギアの変速機のことを、常時噛合式5段リターン・常時噛合式4段リターンなどと呼んでいます。
※ あれ?遠心クラッチでもハンドル左側にレバーがあるバイクあるじゃない?アレはクラッチレバーじゃないの?
確かに。あれはブレーキレバーです。後ろ後輪側のブレーキなんです。
ちなみに、カブにいたってはハンドル左側に本当にレバーがありません。右足ステップにフットブレーキペダル( リアブレーキ )が付いています。
ちなみにカブのハンドル左にレバーが付いていない理由は諸説ありますが、代表的なのがクラッチ付きバイクのライダーが乗り換えた際に、普段の癖でクラッチレバーを思いっきり握ってブレーキをロックさせて転倒してしまうといった事故を未然に防ぐのが目的らしいです。危険防止のためクラッチレーバーの代わりに後ろブレーキレバーを付けていないらしい。
オートマミッションとは?
変速するために運転者がすることは何一つありません。
クラッチ操作はしません。ギアチェンジ操作も行いません。全て自動のオートマチックです。
運転者はアクセル・ブレーキ・ハンドルと3つの操作だけに集中できます。
クルマではギア式のオートマチック ( トルクコンバーター式 / DCT式 ) もあれば、ベルト式のオートマチック( CVT )や、そもそもエンジンと変速機の代わりにモーターのみという電動自動車もありますが、バイクの場合はベルト式のオートマチックのみです。そのほとんどがスクーターに採用されています。
バイクには長らくベルト式ATしかありませんでしたが、ギア式のAT ( DCTタイプ ) のバイクがホンダから販売されております。VFR1200X&F / Africa Twin / NM4 / NC750X&S / INTEGRA / CTX700N
また、Honda独創のロックアップ機構付油圧機械式無段変速機、HFTシステムというオートマチックバイクも登場しています DN-01 。
ちなみに、HFTの元になったシステムがあります。それはHMTと呼ばれ、故本田宗一郎が 「 運転が難しいオフロードだからこそ、無断変速にすべきではないか? 」という立案の元、RC250MAという競技車両車で採用されて1991年の全日本モトクロス選手権でマニュアルタイプを押さえて優勝しています。しかし、当時の技術では価格が高すぎて市販するまでには至りませんでした。
また、もともと変速ギアの無い電動スクーターも賑わいを見せております。
オートマチックバイクの形は、スクーター・ビッグスクーターがほとんどですが、珍しくニーグリップ可能なまたがるオートマチックバイクもありました。
スズキのストリートマジック50cc、110cc、
イタリアのピアジオ傘下のジレラが販売していたDNA50cc(2スト),125cc&180cc(4スト)。
この2つも左側にレバーがありますが、クラッチのレバーではなくて、リアブレーキのレバーです。
さらに当然シフトペダルもありません。あるのはステップのみです。
特にDNAは今見てもカッコイイの一言に尽きる名車ですね。車体の大きさも250ccクラス並にあります。
ちなみにエンジンにキックペダルが付いているのであれば50ccモデルです。
ベルト式ATにもクラッチはある
とは言ってもスクーターにクラッチそのものが付いていないワケではありません。繋がったり切れたりを 「 エンジンの回転数 」で制御する機構の特殊なクラッチが付いています。
そのことを 「 遠心式クラッチ 」 と言います。さきほどマニュアルミッションの項で登場してきましたね。エンジンの回転数により勝手に切れたり繋がったりするので 「 自動遠心クラッチ 」 とも呼びます。どちらでも呼び名は構いません。
「 遠心 」とは遠心力の遠心です。
バケツに水を入れて肩を支点にグルグル回転させても水は落ちてきません。水は回転の外側方向に飛び出そうとしている力(遠心力)が働いているからです。
遠心式クラッチは遠心力を利用して切ったり繋いだりするクラッチだったのです。
ベルト式ATのエンジン動力が伝わる順番
エンジン
↓
ベルト
↓
プーリーが回転
↓
プーリーについている遠心クラッチも徐々に回転
↓
回転に伴い、遠心力が強くなってくると重りを介してクラッチスプリングが外側に動く
↓
クラッチスプリングに押し出されるクラッチシュー
↓
クラッチシューが、後輪のドライブシャフトにつながっているクラッチアウターに接触
↓
クラッチアウターが回転すると同時に
↓
ドライブシャフトが回転、同時に
↓
後輪が回転
ドラムブレーキの逆の仕組みと考えると想像しやすいですね。
ベルト式ATの変速の仕組み
マニュアルミッションは適切なギアを選ぶことにより速度を上げることが可能ですが、ベルト式ATの場合はエンジン側と後輪側の2つのプーリーの幅によりベルトが、
1. エンジン側プーリーの内側、後輪側プーリーの外側で回転パターン
2. エンジン側プーリーの外側、後輪側プーリーの内側で回転パターン
と常に変化することによって比率が変化して加速します。
言葉だけでは分かり辛いですよね。ホンダのバイクページがアニメーション付きで分かりやすかったのでオススメです。
あえて言葉で説明するなら、
走り出しの状態は、エンジンプーリーと後輪プーリーのベルト回転比率は9対1。
エンジンが9回まわってようやくタイヤは1回転。
それが、エンジンの回転数を上げていくことに従って、ベルトを挟んでいる2つのプーリーの幅が逆方向に変化します。
エンジン側プーリーでは、プーリーの内側で回っていたベルトが、プーリー幅が狭まることにより外側で回るようになります。
外側で回るということは、横からベルトを見てみるとベルトの位置が車体前方に引っ張られています。
もともと後輪プーリーの外側で回っていたベルトでしたが、前方に引っ張らてしまうことにより、後輪プーリーの外側から内側に引き込まれていきます。
これでギア比は逆転します。
9:1だったものがエンジンの回転数を上げていくことにより、
9:1、8:2、7:3、6:4、5:5、4:6、3:7、2:8、と変化していき
最大スピードの時は1:9と大逆転。エンジンが1回まわるだけでタイヤが9回転するようになります。
ざっくりザクザク説明するとこんな感じです。
自動遠心クラッチのまとめ
自動遠心クラッチだからといってオートマというわけではありません。
重要なのは、自動遠心クラッチと変速機の組み合わせです。
ギアと遠心クラッチであれば、それはクラッチ操作をしなくてもいいがギアは手動で選ばなければならないマニュアルです。
ベルトと遠心クラッチであれば、オートマチックです。というかベルト式オートマであれば遠心クラッチは必ず付いているので、変速機がベルトであればオートマチックと解釈しても構いません。
個人的には、ベルト式ATで、タンデム二人乗り可能で、足着きの良いXT250Xのような小ぶりなサイズではなくて、セロー250のような大径タイヤでアイポイントが高くて軽くて、本格的なオフロードには向かないけど(見た目なんちゃってオフロード)長距離ツーリングにはもってこいむしろ長距離ツーリング用の125ccATオフロード風バイクが出てきてくれたら間違いなく購入してます。なんで大径オフロード125ccバイクのベルト駆動は販売されないのでしょうか??
自動車は既に90%以上はオートマチック車です。バイクはやはり趣味の要素が強いのでマニュアルなのかな。そもそも需要が少ないか・・・。
ただ、ベルト式ATではなくてホンダのDCT式のAT(デュラルクラッチトランスミッション)には期待してしまいます。クルマでミッション作っているのがバイクに役立つとは。国産バイクでは一人勝ち状態。
しかし大排気量向けのようですのでオフロード車で販売されるとしてもCRF1000Lでしょうねぇ~。CRF250Lには付かないか・・・。
ちなみにデザインの理想形と車体の大きさの理想形は、
ホンダのCRF1000L
BMWのR1200GSアドベンチャー
CHASE L'Arc en Ciel
名曲 + カッコ良過ぎ
チェイス。これはシングル音源よりもライブ音源 ( LIVE 2014 at 国立競技場 ) を聞いてほしい。なまらカッコイイ曲です。カッコ良過ぎ。
当時のラルクのライブツアーの最初を飾る曲として、これ以上のモノはない出来の良さ。超盛り上がります!!恐ろしいほどカッコイイ。
¥250 視聴無料
合わせて読みたい続き
↓ ↓ ↓ ↓ ↓
- 00.ホンダ・スマートディオ乗ってます。2016年で13年目。
- 互換バッテリー交換
- シートカバー・フィルター交換
- シート保護カバーを付ける
- 自動遠心クラッチってオートマなの?
- ヤマハ・モルフォはカッコよかった。
- タイヤ1本の値段と交換工賃
- クラッチ・ベルト交換
- レッドバロン・バーロックBL-10が危険
- グリップ交換
- バイクの盗難。業務用油圧カッター。
- オイル交換と工賃
- タイヤの寿命、交換時期、おすすめタイヤ
- タイヤ購入。IRC_MB90・90/90-10
- IRC_MB90は乗り心地が良かった。
- 原付フロントタイヤ持込み交換の工賃。
- 原付の白く焼けた樹脂を黒くしてみた。黒樹脂復活C24
- ABSと足を伸ばせる違いが、PCXではなくN-MAXを選ぶ理由。
- フレームが違うぞっ!!PCXとN-MAX、最大の違い。
- SYMのRV125iは、実際に本当に大きかったです・・・。
- PCXに足を伸ばして乗ると、足裏がはみ出るとう欠点。
- おすすめグローブ特集!ナックルガードや握りやすさが重要。
- ヘルメット特集。おすすめ被りやすいシステム型。
この物語は、札幌の40手前のおっさんが、125ccAT小型限定普通自動二輪車免許を、雪がチラつく季節に凍えながら6万円で取得した奇跡を余すところは余してブログ化したものである。
- 125ccAT小型限定免許を取るぞっ!カードで6万
- 教習予約。125cc免許は最短1週間で取れます
- アドレスV125Sが教習車、後ろブレーキで安定させよう!
- シュミレーター教習。理想のブレーキ理論
- 教官はスカイウェイブ250cc
- シュミレータ2回目。道路標識を確認しながら模擬走行
- 進路変更は3秒前、右左折の合図は30M前。
- 最後の第3コースを走行
- シュミレータで危険予測を体験
- 125ccAT小型限定免許では1回だけの学科。ビデオ視聴。
- 全3コースのおさらい走行。残りは卒業検定試験のみ
- 卒業検定試験、そして合格っ!
- 最終話、免許の更新に行ってきました。手稲の運転免許試験場。
- PCXではなくN-MAXを選ぶ理由。ABSと足の伸ばせ方の違い。
- フレームが違うぞっ!!PCXとN-MAX、最大の違い。
- 2019ヘルメット特集。おすすめは静かで被りやすいシステム型。
- 2019グローブ特集!ナックルガードや握りやすさが重要。