2018.04.06に、3代目新型PCXが発売されました。
タイヤも太くなり、より普通車バイクに近づきましたが、2代目との最大の違いは「 フレーム形状 」の進化による剛性感のアップ、新フレームについて(*^^*)
「 ダブルクレドール・フレーム 」
目次でございます。
PCX3代目JF81、2018年モデル発売
2018.04.06に、PCXがフルモデルチェンジをして3代目JF81になりました。
目に見える変化を比較すると、
- アナログメーター → デジタルメーター
- フロント&リアタイヤ → 太くなる
- ヘッドライト → 趣味的になる
特に、原付50ccと似たようなタイヤの細さで見た目がカッコ悪かった初代・2代目とは違い、3代目ではとても頼り甲斐のある太さに。wanna be a ウエノマン。
しかし、個人的に「 どうかなぁ~? 」と思うのがデジタルメーター化。こちら亀有公園前派出所で両さんも
「 目まぐるしく変わるんだぞっ!! 」
と、スピードメーターのデジタル化には一石を投じておりましたが、私もMe tooです。アナログで良かったのにと思っちゃう。デザインの新鮮味と使いやすさは対極ですね・・・。
続いて、気付きづらい変更点としては、
-
- ABSの採用( 150ccモデルKF30のみ )
- スプリングレートが2段 → 3段
- リアサスペンションのエンジン側取り付け位置を後方へ延長
例えば、スウェーデンの自動車メーカーのボルボ。2009年に完全停止する自動ブレーキを開発して以来、高級モデルでも、庶民のお手頃価格モデルでも標準で搭載。
危険回避パフォーマンス機能を「 値段で差を付けない 」ポリシーがあります。マツダも高級車アテンザと安いコンパクトカーのデミオも同じセンサーを搭載していますね。
( スズキのアルトは酷かった。初期のセンサーとはいえ、時速30km/h未満でのみ対応ってなんだその中途半端さは。 )
で、ホンダのPCXのABSはというと・・・、150ccモデルには付いていて、125ccモデルには付いていません。うーむ。。。
125ccと150ccの違いは、高速道路に乗れるか乗れないか。時速100km/hの環境でABSが無い状態でフルブレーキングは死に直結しますが、そんな状況はどうやったら訪れるのだろうか?
先行車との安全マージンを広く充分に取っていれば、前方のアクシデントに反応でき、ロック不要のブレーキングを行う時間を確保できるのでは?という考え方もありますが、そもそも高速道路と一般道ではどちらが事故が多いのか?
その点、ヤマハのN-MAX125ccは真面目に考えているなと高評価。( 走行中のエンジン音がeSPエンジンのPCXよりノイジーなため購入候補から脱落してますが )
話戻します。スプリングレート3段について。写真は札幌モーターショーで展示されていたヤツですが、その3代目PCXのハイブリッドモデルのリアサスペンションをご覧ください。
スプリング・バネを良く見てみると、巻き数・巻きの間隔が異なっていることにお気付きでしょうか?
衝撃を深く吸収するタイプか、浅く吸収するタイプか、はたまたその中間か。
3代目PCXでは、下側の取り付け位置を後方に伸ばしてスプリング自体の長さを増やして最大吸収力を向上させて、かつバネの硬さ・吸収タイプ( バネレート)を1段増やすことにより、上質な乗り心地を実現したとか。( 開発担当者談 )
ちなみに4輪ではなく2輪のスプリングは、衝撃を受けた場合、巻きが多い ( 間隔が狭い ) 部分から先に潰れるらしいです。潰れる順番・潰れるスピードで乗り心地が変わるので、そりゃセッティングは大変だ。
だからと言って、2代目JF56のようにサスペンションとは名ばかりでガッチガチで腰が痛くなるサスペンションは絶対にゴメンだ。
3代目の「 上質な乗り心地 」については近々、ホンダドリーム札幌店で試乗して試してきたいと思います。乞うご期待。
で、1番お金を掛けて変更したポイントというのが、フレームです。2代目まではアンダーボーン・フレームという形状でした。
初代にはサブフレーム付き。
フレームが違うぞ!N-MAXとPCXの違い ← 記事です。
新フレーム、ダブルクレドール・フレームとは?
で、3代目PCXではアンダーボーン・フレームを止めて、ダブルクレドール・フレームを新たに開発して採用しました。
特性は軽量化と、剛性の向上です。
歴代のフレームを見て行きましょう。
ダブル・クレドール・フレーム
まずは最新の3代目のダブル・クレドール・フレーム。
クレドールというのは、ゆりかごという意味。エンジンを下2本・上2本のフレームで包み込んでいます。ジャングルジムみたい。
その計4本のフレームがハンドルの付け根( ヘッドパイプ )に繋がっているのが特徴。見た目からも堅牢さが伺える。ガッチリ硬そう。
ちなみに、ダブルということはシングルもあるんですが、以下のような貧弱なもの。
2018年現在このフレームで作られているバイクは中国で生き残ってそう(笑)
アンダーボーンフレーム
続いて、2代目のアンダーボーンフレーム。
ほとんどのスクーターは今も昔もこの形状。私が横浜港北区のレッドバロンで購入して札幌まで乗って帰ってきたスマートDio50ccもこのフレーム。
上フレームが無いので見た目が貧弱で折れ曲がりそうなのですが、乗ってみると硬くてカッチカチ。
ちなみに、このフレームになってからeSPエンジンが登場しました。
アンダーボーンフレームに、サブ・フレームが付いていた
最後に、初代PCXのマイナー前モデル。
アンダーボーンなんですが、なんとサブ・フレーム付き Σ( ̄□ ̄;)!!
ただし、マイナーチェンジ後はeSPエンジン仕様となり、サブ・フレームが( 恐らくコストカットで )取り払われてしまって2代目のフレームとほぼ同等になる。
ちなみに、N-MAXは当初から2018年現在も、サブフレームが付いたアンダーボーンフレーム( センタートンネル構造 )を採用しており、フレーム自体がかなり骨太。
125ccで1番峠を攻めやすいのは、フレーム構造がシッカリしているエヌマックス。
個人的に、今のバイクデザインは無理に丸みある曲線を多用しているように感じているので、N-MAXの鋭角なデザインは好みです。( 個人的に )BMWっぽい高級感を感じています。↓写真はクルムスにて。
で、PCXのフレーム&エンジンの一覧表を更新したら、以下の通りになりました。
↓ ↓ ↓ ↓ ↓
¥680
PCXキーホルダー
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フレーム剛性が、高いとどうなる?
例えば自動車で、剛性の高いヨーロッパ車を運転すると、運転しやすいと感じます。( いや、実際に運転しやすい。)
ボディの余計な「 しなり 」が無くなることで直進安定性が向上されるし、コーナーリング途中でも「 スッ 」と曲がることができる。
疲れづらいから長距離を乗っていても安心ですし、ブレないので高速道路を運転していても安心。
( フォルクスワーゲンのゴルフやポロを試乗した後に、ホンダの2代目フィットやスイフト、日産ノート、トヨタアクアを乗ったときのフニャフニャ感を感じた時、目が覚めました。 )
バイク・スクーターも基本は同じ。
ただ、闇雲にカッチカチなボディ剛性にすれば最高なのかと言えばそうではない。
1分1秒を争うモータースポーツの世界では、タイヤと路面の接地感・グリップの調整はサスペンションの役目。ブレるボディだとセッティングが困難になるためボディはとにかくガチガチする。
では、125ccの庶民の足にそこまでの高剛性ボディは必要か?と言えば当然まったく必要ないし、
※ そもそも高剛性にすると部品コストが掛かって販売価格が余計に高騰して他メーカーと勝負できなくなってしまう。
北海道の支笏湖ツーリングで、見た目が弱い2代目アンダーボーンフレームに乗りましたが剛性感はかなりのモノでした。50ccのスマートDioとは比べ物にならないくらい。
PCXレンタルツーリング in 支笏湖 ← 記事です。
よって思うのです。
サーキット走行や峠攻めをするような人でなければ、3代目のダブルクレドール・フレームはやりすぎなのでは?と。
ただし、
十分な剛性を誇る2代目PCXのアンダーボーンフレームですが、性能が悪過ぎるバネとダンパーのおかげで乗り心地もカッチカチ。腰が痛くなり超最低。
つまり、新フレームを採用した本当の理由は以下の通りなのではなかろうか(笑)
2代目の乗り心地はユーザーに不評
↓
ひどい乗り心地を3代目では改善しなければ
↓
スプリングバネの全長を長くすればいいよ
↓
長くするなら、取り付け位置を延長しないとダメだ
↓
フレームを変更しなければ実現できないぞ
↓
じゃ、どうせフレームを設計し直すなら、N-MAXよりも剛性の高いダブルクレドール・フレーム構造にするのはどう?
↓
コストかかるだろっ!!
↓
いや、それぞれのフレームの太さを、細く作れば安く製造できるよ。軽量化もできるかも。
↓
一同、「 いいねぇ~ 」。ららら無人君♪( ← 今ココ )
3代目PCXの、フレーム形状のまとめ
2代目PCXのユーザーの不満であった「 乗り心地の硬さ 」、これを改善するためにはサスペンションのバネ全長を長く設計する必要があり、今までのフレームを使うことができなくなってしまった。
そこで、3代目では必然的に新設計のフレームを採用することになってしまった。それがダブル・クレドールフレーム採用の切欠だとメガネちゃんは予想します。
同じくユーザーの不満であったタイヤの細さからくるエクステリアデザインの悪さ。新フレームを採用することで太いタイヤを履けるよう設計することができる!良いこと尽くめとは正にこのこと。
ただ、個人的に3代目のデジタルメーターは好きではないので、PCXを購入するとしたら2代目PCXを購入して、初代マイナー前の柔らか目のサスペンションを移植する方法を選択したい。