とりあえず今年の決算は赤字からスタートとなる見込みですが、
開業届を提出してきました。
仕事はwebデザイナーです。
で、その翌日に個人事業主の銀行口座を作ってきました。
作り方の手順と必要なモノを説明します。
目次でございます。
step
1個人事業主は個人扱い
step
2口座を開設する基準は法人扱いではない
step
3開業届の控えが必要
step
4当日中に作れます
step
5口座名は、屋号+姓名になる
step
6振り込み名の省略化
step
7スマート通帳
step
8キャッシュカード
step
9転居届けを郵便局で
開業届の提出について
まず個人事業主をスタートするには開業届の提出が必要です。また、納める所得税を余計に多く納めずに済む方法として青色申告というシステムがありますのでこの申請書類も同時に提出します。
・開業届
・青色申告の申請書
以下よりPDFでダウンロード可能です。入力可能なPDFなので手書きの手間が省けて楽です。
パソコン・ノートパソコンで入力・印刷を済ませましょう。※スマホだと入力することができない場合があります。その場合は印刷して手書きしましょう。
ちなみに、税務署に提出用として1毎づつ。
自分の控え用に1毎づつ、計4枚となります。
開業届の書き方
私の環境は以下の通り。
- webデザイナーで、
- 開業届けは初めてで、
- 実家住まいなので事務所の住所は実家
よって、以下に該当する人は、
- 働く場所と住む場所が一緒で、
- 且つ初めて開業届を出す人で、
- 仕事が土地ころがし(不動産)or 山の所有ではない人
以下の画像を参考にご記入ください。
矢印で示している部分や、マーキングしている部分が入力の必要な項目です。矢印・マーキングされていない部分は、何も入力しないでください。
まずは、開業届出書。
不要な部分は記入しないのがポイント。個人番号を忘れずに。
続いて、
青色申告の商品申請書
令和○○年分以後の所得税の・・・、の○○部分は提出する現時点の年を入力。
複式簿記と日々の記帳
青色申告の項目に、簿記方式というものが。
さらにその選択として、
- 複式簿記( ふくしきぼき )
- 簡易簿記( かんいぼき )
があります。
そもそも簿記とは、お金の出し入れをノートに記入し続けていくことですが
- 会社の財政状態を把握するために必要であり、
- 税金をキチッと納税するために必要なもの。
先程出てきた所得税の青色申告システムですが、
国は「 キチっと納税してくれるなら、お金の出し入れを明確にしてくれる資料( 簿記ノート )を作ってくれるなら、税金を一部免除( 青色申告システム )しましょう 」と言ってくれているワケです。
簡易簿記は免除の額が少ない。複式簿記は免除の額が多い。よって選びたいのは複式簿記です。
簿記ノートは、会計ソフトで月々1280円
さてさて、その簿記ノートですが
複式簿記はノート1冊では済みません。
- 現金用のノート
- 銀行預金用のノート
- 費用のノートは各種様々
- 最後に財務諸表の一つである貸借対照表
何かお金に動きがある度に、関連するノート全てに記入・作成していくことになりますがハッキリ言ってエクセルでの入力管理は面倒です。出来ないことはないですが時間を取られてどうしようも無くなります。
私が中古自動車屋の経理を担当していた時代は会計ソフトなぞ無く、ノートの種類が細かいモノまで合わせると20は超えていました。大企業だともっとあるでしょう。
それを全て手書きしておりました。
それが会計ソフトを導入すると、地獄から天国。
例えば、現金でネット料金を支払うと、
仕訳( しわけ・お金の動き方を表す式 )は
通信費 5,000 / 現金 5,000 となります。
これを仕訳データとして入力するだけで自動的に、
現金用のノートデータにマイナス5,000が蓄積されて、
費用のノートデータにプラス5,000が蓄積されていきます。
旧世代の手書きだとこれだけでも手間が掛かる作業であることがお分かりいただけるかと。
さらに手書きだと数字の記入間違いが発生して、最終的な貸借対照表で数字が合わなくなる現象が発生します。
怪しいノートを全てひっくり返して数字を確認する作業に・・・。思い出しただけでも具合が悪くなる・・・。
経理担当のおばちゃんは室内でのんきに仕事してるなぁー、と思っているそこのあなた!経理担当は1円の記入ミスも許されません。神経を使う仕事なんです。( 今はソフトがあるから楽は楽ですけど、神経を使うのは変わらない。 )
で、
電気自動車がびゅんびゅん走っている現在、会計ソフトにも時代の流れが。
今まではCDやDVDをお店で購入してパソコンにインストールして使うタイプでしたが、
毎回インターネットに接続して外部サーバー内で仕訳データを蓄積して使う「 クラウド 」というタイプが登場しました。
クラウドは日本語に訳すと「 雲 」です。
遠くにある外部サーバー
↓
遠くにあるサーバー
↓
手が届かないモノ
↓
雲( クラウド )
と、なったのかは定かではありませんが外部サーバーサービスが安く済むので良いです。
弥生会計や勘定奉行が有名ですけど、一番安くて割とみんな使っているのがマネーフォワードクラウドという会社。
月々1,280円で会計ソフトが使えて、各種ノートの自動転記も有効、貸借対照表も作れて、青色申告で必要な書類も作れちゃう。
というワケで私はマネーフォワードを使ってます。
余談ですが、中古自動車屋で使っていたソフトは地方の小さいシステム会社が独自で作った会計ソフトだったので、マネーフォワードクラウドと使い方が異なりましたが、今は慣れてスラスラ入力しております。結果使いやすいです。
また、CDでソフトをインストールして使った場合そのパソコンに何かあればアウトなのですが、
外部サーバーであるクラウドの場合はバックアップ対策を厳重に行っているところも安心ポイント。( データが消えると商売上がったりどころか倒産の危機に追い込まれるため厳重に管理されています。 )
何があるかわからない時代だからこそ、データは手元ではなく外部に蓄積しておくのが良いのかもしれません。
開業届を税務署に提出。
PDFに入力して、印刷して、三文判のハンコを押したら提出です。
私は札幌北税務署に提出してきました。
受付のお姉さんに4枚渡すと、ササッと確認して、
「 マイナンバーが確認できるカードはありますか?または免許証など本人確認できるものはありますか? 」と聞いてきます。
マイナンバーのカードは自宅に置いてきてしまっていたので免許証で通りました。
すると、受付ハンコをポンポンと押して控えを貰って受理完了。
所要時間はたったの2分でした。
屋号の名前かぶりは調べてくれない
で、てっきり提出時に屋号の名前かぶりを調べてくると思っていたらやってくれませんでした。
うーむ。受付ハンコを押すだけ。別途頼めばやってくれるのかしら?
とりあえず私はネットで検索した限りでは同名の屋号はヒットしなかったので追求しませんでしたが、心配な人はその場で申し出てみましょう。
開業届の控えが無ければ、口座開設できません。
個人事業主の口座開設に必要なもの
個人事業主の普通口座を作るために何が必要ですか?と北洋銀行に電話で確認したところ、
個人事業主は個人であり、
↓
口座開設には個人の方法が適用
↓
三文判のハンコでOK( シャチハタはダメ )
または、
↓
屋号の丸印でもOK( 中字は代表之印でも良いし、銀行之印バージョンでも構わない )
↓
本人確認は、運転免許証が手っ取り早い
↓
入金するお金( 1,000円でOK )
↓
40分ほどで出来上がり( 14:50に手続きを開始したら、15:30までシャッターの内側に閉じ込められる(笑) )
↓
できれば開業届の控えをご持参ください、とのことでした。
必要なものは以上です。
※屋号印( 代表印・実印 )と銀行印は分けて作ること!兼用してはいけない!という昔からの言い伝えがありますが、それは手彫りでしかハンコが作られていなかった時代に通用する話です。
現在は殆ど手彫りされておらず、フォントがどこでも一緒の機械彫りのため真似しようとすれば簡単に複製されてしまう。
さらに個人事業主で屋号印( 代表印・実印 )を持ち歩く人はほぼいません。机や金庫に保管されている場合が多い。
よって、ハンコの盗難紛失が発生した場合は屋号印( 代表印・実印 )も銀行印も一緒に盗まれてしまう。分けて作る意味が無い。
ハンコ屋サイトでは「 分けて作りましょう 」とありますが、それは「 店側の都合 」であり「 ハンコを1本でも多く売って利益を稼ぎたい 」というエゴです。
口座開設できませんでした
実験を行いました。
普通なら、開業届けを提出して控えを貰ってから銀行に口座を作りに行きますが
控えの無い状態で口座は作れるのか?
試しに北海道No.1の北洋銀行にて、屋号の入った普通口座の開設にチャレンジしました。
「 個人事業主で事務所を開くので、事務所用の普通の銀行口座を作りたいのですが 」と新人っぽいお姉さんに伝えました。
結果は当然、失敗。
口座は開設できませんでした。
以下のように口座開設に必要な書類を書かされるワケですが、
「 許認可 / 届出 : 」の欄があるわけです。
「 許認可 / 届出 : 」の欄には、要と不要に○を付けられるわけですが、
不要に○
↓
屋号の入った通帳を作らねばならない理由は
↓
ほぼ事業を起こすため
↓
ならば開業届の控えは絶対に持っている
↓
開業届の控えを求められる
↓
開業届はありせん。不要でいいですと、言ったら
↓
真っ先に「 反社会的存在 」「 マネーロンダリング 」を疑われる( 笑 )
↓
この人は反社?通帳を売ってしまう輩なのか?
↓
開業届の控えをお持ちいただいてからご来店ください。
と、なるのは当たり前。銀行スタッフは正しいお仕事をしました。
私は、税務署に行く前に銀行に寄っちまったもんだからスタッフから疑いの目を向けられた際、「 税務署に提出する前の開業届 」を出したらさらに状況を悪化させてしまった。怪しさ爆発と思われたに違いない(笑)
私「 開業届けの控えを受け取ってからまた来ます。 」
と伝えたところ、奥の女性課長がツカツカと寄ってきて「 来ていただく際は私をお呼びください 」と名刺を差し出されてしまった。その表情はちょっと怖かった。
まぁ、疑われるような真似をした自分が悪いということで。逃げるように札幌北税務署へ。
個人事業主用の銀行口座が作れました。
で、北税務署に到着したのは良いのですが、
手続きをしたら15時を過ぎてしまいました。口座開設は明日に持ち越し。
うーん、余計に銀行スタッフに疑われちゃうよ・・・と気落ちする(笑)
翌日、14:00に銀行へ。
順番カード番号を引かずに、受付のお姉さんに課長の名刺を見せる。
窓口に通される。
で、昨日途中まで記入していた書類は勝手に破棄されていたため再度記入。
まぁ日付が異なるからでしょうが、その点の説明もあってよかったのではないだろうか・・・。
気を取り直して
- 記入日
- 名前
- 営業所の住所等
- 営業所の屋号名
- 営業内容
- 月の売上金額
- 主な販売先
- 主な仕入先
- 国内・国外の利用する取引
を記入。
主な販売先についてはまだなにも決まっていないので無記入。
仕入先はwebデザイナーなのでナシ。外注も使わないですし。
ちなみに「 要:(番号等: ) 」の要にマルを付けたのですが、開業届控えには通し番号は無いんですよね。番号が無いことを銀行スタッフに忠告しておきました。
そして開業届の控えを提出。コピーされる。青色の分も一緒に渡したので2枚ともコピーされましたが、開業届だけの提出で良いです。
口座名は、屋号プラス姓名
北洋銀行では、個人事業主の銀行口座は
屋号名のみバージョンでは作れません。
必ず、屋号+姓名 となります。
振り込む側に優しい、姓名ナシ設定
先程も話しましたが、口座名は絶対に 屋号+姓名 です。
例えば口座名が、
札幌ネットサービス事務所 大明寺慶次郎であるなら、
相手がATMで料金を振り込む際に、
サッポロネットサービスジムショ ダイミョウジ ケイジロウ
と打ち込むワケです。
長いから面倒なことこの上なし。濁点も一文字扱ですし。
※ 振り込み依頼書に記入して窓口で処理する人はスルー(笑)
で、
銀行もバカじゃありません。
この面倒な状況は百も承知済み。
相手が振り込む際に、姓名部分を省略することができる手続きを用意しています。
その手続きを同時に行いました。
よって振り込み相手は
サッポロネットサービスジムショ でOKに。
これは手間が省けて良いです。
いいぞ!北洋銀行!!
伊達に大泉洋がCMしてないな(笑)
※北海道銀行はタカトシですけど、人としての態度がダメなので私の周りでは割とキライな人が多い。北海道人は横柄な態度を嫌う傾向があるらしい。
スマート通帳
で、窓口で言われたのが
通帳にしますか?
スマート通帳アプリにしますか?
そうです。
銀行に行かずとも、通帳記帳をせずとも、
スマホ画面で残高確認が出来てしまう時代が到来しました。
個人の口座であっても、個人事業主の普通口座であっても同じです。
ちなみに、スマート通帳にした場合は紙の通帳は使えなくなります。同時には使えないということ。
銀行スタッフの話によれば「 若い人はみんな通帳ではなくスマート通帳ですよ 」とのこと。
- 口座にいくら残っているのか、
- いくらバイト料が入ったのか、
- ネットショッピングで引き落としされた額はいくらなのか、
- デビットカードで支払おうとしているけど口座の残高はいくらだっけ?
などが瞬時に分かるのがとても便利らしい。
さらに、
- 記帳を忘れることがない
- 通帳を紛失することがない
とのこと。クラウド機能だなぁ。
ただ、通帳がデジタルになっただけなので、企業が使うインターネットバンキングのようにワンタイムパスワードを発行して会社のパソコンから振り込みができるような機能はありません。
無論、「 インターネットバンキングはどうしますか? 」と聞かれましたので「 毎月基本手数料が発生するので結構です 」と断りました。
で、私は小さい画面でチマチマ見るのが苦手な性分だったので思わず
「 紙の通帳でお願いします 」と言ってしまった。
で、この通り通帳が完成してしまったのですが、
今思うと、「 スマート通帳で良かったのでは? 」と思ってます(後悔)
ただ、紙 → スマートへの変更は窓口で無料でいつでも出来ますとのことだったので、今度やろうかな。
通帳の管理義務
滅多に遭遇しませんが税務署からマルサが出動して帳簿のチェックをされる場合があります。
その際は通帳は必ず見せなければならないので通帳の管理義務が個人事業主には発生します。
それは紙を使わないスマート通帳でも同じことで、税務署の職員にはスマホを見せることになります。
キャッシュカードは作ろう。
当然ですが、口座を作れば口座からお金を引き出すことが発生します。
キャッシュカードがあればATMからパパッと引き出せますし、入金も可能です。
キャッシュカードを作らなければ、窓口で全て行うことになります。
キャッシュカードは必ず作りましょう。
また、申し込み用紙には当然、暗証番号欄があります。前もって考えておくことを忘れずに。
磁気に注意
クレジットカードと通帳には全て磁気ストライプが入っています。
以下のような磁気を帯びたものに近づけるとATM等でご利用できなくなる場合がありますので、保管の際には十分ご注意ください。
万が一、ご利用できなくなった場合は窓口でのお手続きが必要です。
磁気を帯びているものの一例
- 携帯電話・スマートフォン
- スマートフォンケースの留め金
- カバンや財布の留め金
- クルマの電磁ロックキー
- マンションのカードキー
- テレビ・ラジオ・スピーカー
- AV機器・イヤホン
- 磁気ネックレス
一度に下ろせるのは1日50万まで
これも反社対策になりますが、
ATMを使った
- 現金の引き出し
- 振り替え
- 振り込み
は、1日50万円となっています。
50万円以上の移動が必要な場合は窓口で対応してもらえます。
郵便局で、住所の届け出を忘れずに。
上記のキャッシュカードは郵送で1週間後に送られてきます。
が、問題なのは住所です。
銀行はキャッシュカードを、
姓名宛で郵送せず、屋号名で郵送してきます。
どんな問題が発生するのか?
住んでる人が、大明寺家の人々
同じ住所に、札幌ネットサービス事務所として銀行で口座を作りましたが、
郵便局はその事実を知りません。
郵便局に報告しないとどうなるか?
↓
北洋銀行はキャッシュカードをポストに投函
↓
郵便局に届く
↓
バイクで配達
↓
あれ?大明寺宛のはがきの中に「 札幌ネットサービス事務所 」ってのがあるけどここ大明寺さんちだしなぁ。
配達はできないな。トラブルがあるといけないから
↓
持ち帰り。
↓
やっぱりコンピュータにも登録されてないや。
↓
宛名は存在しませんでした、と北洋銀行に返送
となるワケです。よって銀行スタッフに「 郵送するので郵便局で住所登録をお願いしますね 」と言われました。
転居じゃないけど転居届け
住まいと同じ住所に屋号を設ける場合は、
「 この住所にはこの事務所もありますから 」と郵便局に届け出をしなければなりません。
それは、転居届。
べつに転居するワケじゃないですけど、転居届の欄の下側に「 事務所を兼用している場合に書く欄 」が存在しています。
記入する内容は、
- 事業所の名前
- 住所
- 電話番号
- ハンコ
- 転居者(事務所作った人)との続柄
- この内容を郵送するかしないか
などです。